【REBORN】何が一般的かなんて分からない (ページ45)

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+９２+黒と色彩ページ45

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『貴方はまた、そういうことを…。』

ここまでいくと重症だ。
呆れてものも言えない、とはまさにこの事。

私ですら呆れを隠せなくなってきた。

盛大なため息と共に呆れ、という感情が言葉になって出ていく。
彼らのせいで余計な心情ばかりが口から出ていく

私の発言に更に「でも…」なんて言うもんだから
『余計なお世話ですよ』なんて冷たい返事になってしまう。

もちろん、それを聞き逃す訳もなく獄寺さんが
「てめぇ！１０代目が気にかけて下さってんのに！！」とか
聞くに絶えないような忠誠を表すので聞き流す

彼は私とはまた別の形で忠を尽くしてるが
同じく「仕える、尽くす」とはいえ相容れないな、と再認識した

再度ため息つけば彼はまた何かを言っている。

獄「つーか、オイ巳國。
前にヒバリとは仲間じゃねえとか言ってた癖につるんでんじゃねぇか」

恭弥さんの名前が出てやっと話の内容が頭に入る。
一体どういうことだ、と騒ぐが間違った答えを言ったつもりは無い

『どうもこうも…そのままですよ。
私と恭弥さんは別に仲間、なんてものではありませんから
仲間というよりは主従…ですかね？

皆さんを見ている限りの自己解釈ではありますが
仲間と定義されるのは対等なのが前提な気がしましたので』

実際そうなのだ。

獄寺さんに聞かれた時にも
短い時間で脳内で「仲間」とはなにか整理してから答えた。

彼らの関係が友人であり、仲間であるのなら
前に山本くんが言った同じ所属の部員が仲間であるのなら

それらから推測される仲間の定義、条件とは「対等」ではないのか

それならば恭弥さんと私は決して「仲間」ではない。

私の答えに不満げなような、釈然としないような
そんな表情を浮かべ、舌打ちを一つ鳴らして獄寺さんはフイと顔を背ける

『では、私は拝殿の裏で着付けし直しますので』

そう言って三人の間をすり抜け拝殿の裏へ回る。

「え゛」と、鈍く濁点の着くような声が漏れたのが聞こえたが
それが何を意味するのかイマイチ理解出来ず無視させてもらった。

それから段々と賑やかになる声が聞こえ、仲がいいですねぇ…思いつつ
恭弥さんが待っている、と少し急ぎめで着付けを直す

一度やってしまえば慣れるもので夕刻に着た時の半分の時間以下で終わる
石畳と下駄がカラコロと音を鳴らしつつ拝殿正面に差し掛かると空が輝いた。

赤、青、緑、黄色にオレンジ、紫に、藍、そして白

色彩豊かな花火が黒い空を染めあげた。