【REBORN】何が一般的かなんて分からない (ページ25)

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+７２+羨ましいページ25

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そういえば、恭弥さん以外を気にするのは初めてかもしれない
そもそも、何故こんなにも彼らとの距離が縮まっているのだろうか

きっかけはなんだったか？何が影響したんだろうか？

考えれば今までに思い当たる節は幾つかあるが
それらの内の一つが原因なのか、複数の要因が絡み合った結果なのか

…最大の要因は赤ん坊くんに間違い無さそうだけど

『やっぱり、仲間というものと一緒にいるのは楽しいですか？』

無意識に口にした問いは、当初の目的の問いとは異なっていて
自分でも口にして数秒の間の後、驚いた。

思考を覗けるあの人でもあるまいし
私が驚いていることすら気付いていなさそうだが

それにしたって、突然呼び出され
聞かれた質問がコレ、なんて意味がわからないだろう。

実際、彼は私の問いを聞いて軽度の硬直状態。
そりゃそうか。噛み締めれば噛み締めるほど質問の意図が分からない。

どうしていいか分からず、視線が地面に向いて彷徨う。

『すみま…』

「楽しいぜ。」

『忘れて下さい』と断りを入れようと思ったが
それよりも先に真っ直ぐな声が届いた。

ふと、地面に向けていた視線を持ち上げると
いつもより、スッとしているというか…
どこか真剣味を帯びた彼の瞳が私を見つめて貫いていた。

その静かで力強い瞳に今度は私が軽度の硬直状態に。

相手の感情を読んでいるのではと錯覚を起こさせるくらい感受性豊かな彼だ。
私の内面すら見透かされてしまいそうな瞳に思わずたじろいだ。

固まる私に気付いてか、気付かないでなのか分からないが
彼は瞳を、表情を和らげ笑顔を浮かべて見せた。

「野球部の連中も、ツナや獄寺たちも良い奴ばっかでさ。
もちろん一緒にいて楽しいってのが第一なんだけど
俺に無いもの持ってたり、スッゲェかっけぇなぁ…って思う瞬間があんだよ

で、俺も負けてらんねぇなぁ…て
そんなアイツら見てると真っ直ぐ前向かされるっつーか

…やっぱ、そういう意味では恵まれてんのな、俺！」

寸分の迷いなく、言葉を紡ぐ彼が羨ましかった。

晴々と笑う彼の笑顔は私には眩しくて

でも、その笑顔を見てると黒ずんで淀んで
もう汚れなんて取れない私の内面をも洗い流してくれるような気がした

『…幸せ、ってやつなのかも知れませんね』

たった一言、その一言を発する短い感覚だが
彼の幸福がありありと伝わって、私も笑えていた気がした

『羨ましい』という妬みが混じった言葉を喉に詰まらせながら。