【REBORN】神様なんて居るはずない

+４７+カチコミ ページ50

.




「あれ…巳國！」



２人ともなんと足の速いことか。

かなり先の方に居たはずが一直線に走っていた彼らは目と鼻の先。
先に私に気付いた山本くんは名前を呼んできた。

彼と共に並走する獄寺さんは私を見たら分かりやすく顔を歪める。

どうやら相当嫌われているらしい。



『お揃いで何やっているんですか。学校は？』


獄「こんな時間にここにいる お前がそれを言うのかよ」

『私はこのまま登校します、ホームルームは欠席することは申告済みです。』



２人とも服装はちゃんと制服。
ちゃんと朝、登校する気はあったんだろう。


この２人だけ、というのが些か理解できない。

確か獄寺さん、私だけでなく山本くんも目の敵にしていたはず
何事も沢田くんも居るなら、みたいな所があるし…



山「なぁ、巳國。こっちに赤い車通らなかったか？」

『車、ですか？来てませんが…』

獄「チッ…ならさっきの角左だったか。」

山「だな。悪ぃな、サンキュー。」



私と同じ進行方向に踵を返し、走り出そうとする２人。
まさか人の脚力で車追っかけ回してたんですか。

思わず声をかける


『いや、待ってください！まさか車追ってるんですか？なんで、』


山「いやぁ…それがな、」

獄「桃巨会とか言うヤクザに十代目が攫われたんだよ！」



桃巨会…？


この辺りでは比較的武闘派なヤクザだった気がするけれど…

でも、一般人に手を出したというのは聞いたことがない。


だから恭弥さんも放っておいてるわけだし。
あの人が目をつけるのは街の害になるものだからね。


まさか、この人たち２人で乗り込む気なのか。



しかも、確かに桃巨会の拠点は私の背の先。

それなのに沢田くんを攫ったという
桃巨会と思わしき赤い車はこちらには来ていない。


裏がある、というかある人物がほくそ笑むのが思い浮かぶ。

…あえて誰とは言いませんが


でも、彼が裏にいるなら平気だと判断したということでしょうし
拠点を教えてしまっても問題ないのだろうか？



『あのー…拠点なら知ってますけど。』


オズオズと進言すると数歩離れてたはずの獄寺さんが急接近。
肩を鷲掴まれてガックンガックン揺すられる。…酔う。

隣で山本くんが止めてくれてるのに気にも止めず揺すり続けてる。


獄「おい！それは何処だ！！」

山「お、おい！獄寺！それじゃ言えるもんも言えねぇって」




獄寺さんは舌打ちをしながら私の肩から手を離した。
口頭でなるべく分かりやすく伝えると２人ともまた駆け出した

この小説の続きへ→←+４６+入院生活

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す