3話 ページ4
しばらく暗い森の中を複雑に進むと、大きな鉄製の門が現れた。そして門の向こうにはどこかの王城かと見紛うような巨大な建造物。名前は見上げてもてっぺんの見えない城に驚きながらも、平然と中へ入るベルの後ろをついていった。
「う"ぉい！！ベル、地域の殺し屋殺しに行くっつってから2時間も経ってんじゃねーか！！」
「うるせ…。ししっ、出迎えがスクアーロとか最悪。」
スクアーロと呼ばれた髪の長い男は、ベルに2,3言文句を言っていたが、ベルの後ろにすっぽりと隠れる名前の存在に気づき目を丸くした。
「ベル…誘拐はダメだろぉ"…。」
「誘拐じゃねーし！ちょっと拾っただけだっての。」
主を殺して行く宛てがなくなった、という大前提が抜け落ちているが間違ってはいない。スクアーロはいささか信じ難いようで、頭をガリガリと掻きながら苦い顔で名前を見た。
「お前、名前は。」
「…」
「聞いてんのか？」
聞こえていても答えられない。ということすら名前は伝えられないのだ。名前は初めて、声が出ないというのは不便だなと感じた。
「スクアーロ、こいつ喉やられてて声が出ねーの。」
「あ"？………たしかに、その傷じゃあ声帯はやられちまっただろうなぁ…。悪かった。」
名前も髪が長いため、首元が隠れていて見えなかったのだろう。名前は「気にしていない」と首を横に振ってスクアーロを見た。
「とにかくだ。拾ってきた以上てめえが責任もって面倒見やがれぇ！」
「ししっ、そのつもりだし。」
ベルはそれだけ言うとスクアーロの隣を通って先に進もうとした。しかしスクアーロの次の言葉で、その足を止めることになる。
「面倒なことになる前にボスさんに許可とっとけよぉ"！！」
「…やべっ。」
ベルの顔が若干青くなる。名前は2人の言う「ボスさん」がどんな人物なのか想像しながら、ベルほどの強さを持つ人のボスなのだからきっととんでもなく強いのだろうと思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました。よろしくお願いいたします。 (2022年6月14日 8時) (
レス) id: 6425fa7392 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - こちらこそ、親切に教えてくださってありがとうございます!! (2022年4月16日 0時) (レス) id: 069036dd65 (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» わざわざ数ある中から探していただいて、ありがとうございます…！ (2022年4月16日 0時) (レス) @page2 id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - 了解致しました！先程フォローさせていただきました！よろしくお願い致します(*´`)♡ (2022年4月14日 14時) (レス) id: 39298dc62b (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» 作品名も一緒にユーザー名に書いてありますので、かなり分かりやすいかと思います…！ (2022年4月14日 1時) (レス) id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：巫女月 | 作成日時：2020年12月23日 2時
