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26話 ページ27

ピッ…ピッ……、と機械音だけが部屋に残る。白くて細い腕には無数の傷跡に混じって点滴の管が刺さっていて痛々しい。

ヴァリアー医療チームに属する医師の話では、炎の使いすぎによる疲労と、大幅な環境変化に適応するための疲労が重なって倒れたのだそうだ。
ベルは自分とそう歳の変わらない横たわる少女を見て、自分に出来ることはないかと俯いた。

「ベル、名前の様子はどうだい?」
「ん…ちょっと休めば問題ないってさ。」

そう分かっていても、言われていても、ベルは名前の傍を離れようとしなかった。雲狼は名前の体力を気遣って、自力で匣に戻っていった。いま名前についていてやれるのは自分だけなのだ、と。ベルは得も言えぬ感情に突き動かされていた。

「……珍しいじゃないか。君がそんなに他人に興味を示すなんてさ。」
「自分でもよく分かってねーけど…なんか…初めて見た時、助けてやりたいって思ったんだよ。」

ベルは「変だよなー」と薄く笑いながら、自分の過去を振り返ってマーモンに語りかける。

「自分の兄貴すら殺したのにさ、初めて見るやつ助けたいとか…暗殺者のくせに。」

刺々しく発せられたその言葉は、もしかしたら自分に向けたものだったのかもしれない。
マーモンはすぅ…っとベルの隣に腰を下ろすと、慰めるわけでもなく、ただ淡々とこう言った。

「ベルもようやく人間らしくなったってことじゃない?」
「……かもな。」

それから2人は何も言わなかった。何も言わなくても伝わっていた。相変わらず機械音は一定のリズムで鳴り続けている。さっきより、その音が軽く聞こえた気がした。

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(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました。よろしくお願いいたします。 (2022年6月14日 8時) (レス) id: 6425fa7392 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - こちらこそ、親切に教えてくださってありがとうございます!! (2022年4月16日 0時) (レス) id: 069036dd65 (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» わざわざ数ある中から探していただいて、ありがとうございます…! (2022年4月16日 0時) (レス) @page2 id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - 了解致しました!先程フォローさせていただきました!よろしくお願い致します(*´`)♡ (2022年4月14日 14時) (レス) id: 39298dc62b (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» 作品名も一緒にユーザー名に書いてありますので、かなり分かりやすいかと思います…! (2022年4月14日 1時) (レス) id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:巫女月 | 作成日時:2020年12月23日 2時

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