13話 ページ14
案内されたのは、1人で使うには広い部屋だった。4人くらいなら余裕で寝泊まりできそうなほどで、ベッドもサイズがいくつか分からないくらい大きい。
『失礼ながらお聞きします。本当にここが私の部屋なんですか?』
あまりの衝撃に、名前は思わずそう書いてルッスーリアに確認してしまった。
「そうよ〜!これでも手狭な部屋を選んだ方なのよ?」
これで手狭とは、他の部屋はどれだけなのだろうか。名前は想像してみたが、とても思い浮かばなかった。
「家具は好きに使ってちょうだいね!」
一通りの説明を終えたルッスーリアがそう微笑む。しかし好きに使えと言われても、見るからに高級な家具で名前は気が引けた。するとルッスーリアが、ハッと思い出したようにこう言った。
「名前ちゃん、お風呂まだだったわね…!!アタシとしたことがごめんなさい!すぐ案内するわ!」
言い終わるより早くルッスーリアは名前の手を引いて歩き始めてしまった。それぞれの部屋にシャワーがついてる事もあるそうだが、名前の部屋にはついていない。そのため、お風呂に入るには共用の浴場を使うしかなかった。
「使い方は大丈夫かしら?お洋服は…そうねぇ、ベルちゃんのでも大きいかもしれないわね。でも今日は仕方ないもの。ベルちゃんに借りましょ!」
名前がちょっと待ってと書き留める前に、ルッスーリアは「ごゆっくり〜!」と去っていってしまった。今日1日でだいぶ色んなことが許されはしたが、さすが主の服を借りて着るなんて名前にはできない。
でももう既に着ていたワンピースは洗濯物に紛れて埋もれてしまった。そして他に着るものはない。性別的に裸でうろちょろする訳にもいかない。これはもう打首覚悟で服を借りる以外にないなと、名前は腹を括った。
128人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました。よろしくお願いいたします。 (2022年6月14日 8時) (レス) id: 6425fa7392 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - こちらこそ、親切に教えてくださってありがとうございます!! (2022年4月16日 0時) (レス) id: 069036dd65 (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» わざわざ数ある中から探していただいて、ありがとうございます…! (2022年4月16日 0時) (レス) @page2 id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - 了解致しました!先程フォローさせていただきました!よろしくお願い致します(*´`)♡ (2022年4月14日 14時) (レス) id: 39298dc62b (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» 作品名も一緒にユーザー名に書いてありますので、かなり分かりやすいかと思います…! (2022年4月14日 1時) (レス) id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:巫女月 | 作成日時:2020年12月23日 2時