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11話 ページ15

10分ほどたっても一言も喋らないからきっと泣くのを我慢しているんだろうな、と思った。

それなら、と思い、零君に向かって腕を広げる。

『零君。』

優しく呼び掛けると、驚いたように目を見開いて、その後、恐る恐るという感じでこちらに近づいてくる。

降谷「…いいのか?」

無言で頷くと、彼の頬に涙が伝い、私を勢いよく抱き締める。

声を殺して泣く彼を抱き締めて頭を撫でながら、これからは辛いことがあったらこうしてあげようかな、と思った。

しばらくすると小さな嗚咽がすぅすぅと言う寝息に変わり、取り合えずここで寝かせたらまずいかな、と思い可哀想だがお姫様抱っこをして上に上がる。

来客用の部屋のベッドに寝かせ、自分もベッドに寄りかかり、目を閉じた。

翌朝……

いつも通りの朝5時に目を覚ました。

零君は未だにすやすやと眠っている。
可愛いなぁ……と思いつつ頭を撫でていると、腕を掴まれて引き寄せられた。

『わっ!?』

驚いて彼の顔を見ると、まだ眠っているようなので、私も再び目を閉じた。

朝6時頃……

『ふぁ……よく寝たぁ』

起きようとすると、零君にしっかりと抱きしめられていて起き上がれない。
暇なので零君の髪をいじってみる。

『うゎ…サラッサラを通り越してもう言い様のないレベル…羨ましい』

とか呟いていると零君の目がぱちっと開く。

降谷「!!?…まさか……!」

『いや、きみが心配するような事は無かったから安心して。』

降谷「良かった……」

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作者名:露羽 | 作成日時:2018年9月11日 0時

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