妹【BANANAFISH】

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貴｢ねえ、そろそろ教えてくれないか?｣





ショ｢駄目だ、前にも言ったが俺達が今やろうとしている事は教えられない。Aも納得していただろう｣




いつもに増して厳しい言い方をするのは、私を巻き込まない為だろう


確かに、その話は終わった


私は兄さん達の邪魔をしないし、邪魔されないって事になっている

分かってる


分かってるんだ



それでも少しでも関わった以上、知りたい


知っておきたい、なんて









ショ｢お願いだ、A。そんな顔をしないでくれ……俺はお前に泣かれるのに弱いんだ｣


心臓が跳ね上がる



いつも明るい声がどんどん細くなっていく






貴｢私知りたいだけなんだ。あなた達が何をしようとしているのか。足でまといになるってなら、捨て置いて行って、自分の身は自分で｣







ショ｢自分の身は自分で守れる、て?｣




ショ｢本当にそうか?｣



真っ直ぐ見つめる2つの目



ショ｢今店内で暴動が起きたとする、まず取るべき行動は?｣


貴｢え、えっと、机の下に｣




ショ｢遅い、俺なら確実にお前を殺せた……意味は分かるだろ?｣




1分1秒でも判断が遅れれば遅れるほど死の確率はどんどん上がる




ショ｢俺達みたいなゴロツキならまだしも、プロの殺し屋なんて机の下に隠れても殺される｣




貴｢私は蚊帳の外って事?黙ってあなた達が死んでいくのを見ていろって事……?｣



ショ｢A｣




貴｢そんなのそこら辺の女に頼めば良いじゃないか!そんな役回り…………私は御免だ｣



ショ｢……A｣




困らせたい訳じゃない


私のわがままだって分かってる




なのに何でそんな目で私を見つめるんだ









ショ｢俺は…お前が好きだ。これだけは隠さずに言える｣









貴｢…………嘘だ｣



ショ｢いいや、嘘じゃない。俺は奥村Aが好きなんだ……………………好きで好きでどうしようも無いくらい好きなんだ。今まで好き、なんて思った事も感じたこともなかった｣





ショ｢朝起きて英二から知らされた時、頭が真っ白になった｣





ショ｢Aがオーサーといる所を見ると自分の中の醜い部分が湧き出てくるんだ｣






ショ｢Aがこうして泣いている姿でさえ愛しく感じる｣







貴｢ショ｣






ショ｢だからこそ護りたい、俺はアッシュみたいに絶対護ってやれるなんて言ねぇ……これ以上辛い想いをして欲しくないんだ｣



ショ｢巻きこみたくない(離れないでくれ)｣

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