妹【BANANAFISH】

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僕には少し馬鹿で可愛い妹が居る





貴｢なあ兄さん!見てくれ、犬拾った!!｣





そう言って誇らしげに頭の上に掲げる生き物は









にゃあ









どう見ても猫だ






英｢な、名前は決めたの?｣






貴｢ああ!名前はトリー｣





矛盾でしかない



どうしてこんなにアホなんだろう



貴｢ほらワンって鳴いてみな!｣





本当に阿呆で馬鹿で可愛い



そんな彼女は今何故か



ショ｢もう、大丈夫か?｣




カフェで僕の友達(チャイニーズのボス)と手を繋いでいる



それも両目から大粒の涙をこぼしながら


どうやら彼は妹に惚れているらしく



修羅場かな、


なんて見当違いなことを考えながら

携帯の呼び出し画面と2人を見つめながら事の発端を考えていた


遡ること数時間前


ふと目を覚ました僕は、隣に寝ていたはずの妹がいないことに気がつき

まずショーターを起こした


寝起きのいいショーターはそこからの行動が早かった


身支度を手早く済ませると同時にどこかへ電話をかける


ショ｢＿＿＿＿シンか。俺だ、今手が空いてる奴で探して欲しい人がいるんだが……ああ、そうだ。特徴はーーー｣



流石チャイニーズのボスと言うべきか

一気に目付きが変わるんだもん


朝っぱらからAの捜索に当てられた人達に申し訳ないなあ



ショ｢……それと、車を今から言う場所に、ああ。首輪も頼む｣



Choker?





ああ、何かの隠語だよね。分かる



クビワみたいな、そう、首輪




ショ｢さて、俺はこれからAを探しに行くが。英二、お前はここでアッシュが起きるか、連絡が来るのを待て｣




何で




ショ｢俺と一緒に探しに出て万が一お前に怪我させたらアッシュに殺されるからな｣




苦笑しながらソファーですやすやと寝ているアッシュに目線を移す



でも何でショーターはそんなにAのことを気にかけるんだろう


まだ2、3日しか経ってないのに

英｢……………もしかして、僕の妹だから?｣





それなら放って置いて

そう言いかけて口を紡ぐ




ショ｢強いて言えば………………………………惚れたから、だな｣



とショーターは照れくさそうに笑いながら頭を搔いて応える




ああ、何てAは愛される娘なんだろう


兄として、嬉しく思うと同時に


もしショーター、またはオーサーと結ばれたとしても色々な困難に立ち向かう事だろう

それがどんなに悲惨で残虐的な事でも




せめて最期だけはハッピーエンドになりますように

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