妹【BANANAFISH】

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目の前の長テーブルにはずらりと並んだ料理の数々

どれもキラキラしていて、湯気が立っていた


美味しそうだが、誰も手をつけない

何故か?


それはな



ショ｢どうした?みんな腹減ってないのか?｣



ショーターの手作りだからだ

今も両手に新たな料理を持ってきた

青椒肉絲とエビチリだろうか

凄い美味しそう


見た目は

待ちきれないのかうずうずしているコングを除き、下を向く者、視線が泳ぐ者、神に祈る者まで居た

ちなみに私は日本に居る両親へ


先立つ不幸をお許しください


と謝罪した

きっと兄さんもそうだろう


コング｢みんなが食べないなら俺食べてい｣


アレックス｢バカっ!｣


死に急いだな、コング

会って1時間も経ってないと思うが、良い奴だったよ

なに、1人で逝かせやしないさ


私も後から追いつく

2人で虹の橋、渡ろうな


英｢ほ、ほら。A、確か小籠包好きだったろ?｣

虹の橋からこちらに来てくれたわ


嬉しいなあ(白目)



ア｢ざまぁw｣


殺すぞ


ショ｢……心配しなくても姉さんが作ってるから食ってもしなねえよ｣



なんだ先に言えよ



兄さんが差し出した小籠包を口に入れると、昼間の記憶がフラッシュバックする





やけにみずみずしい野菜

独特の風味の香辛料

おまけに鶏なのか豚なのか牛なのか、はたまた大豆なのかよくわからない肉


乾き切った皮


どこかで食べたことあるなぁ(泣)



マ｢ショーター、厨房に小籠包置きっぱなしだったけど｣



頭が直感でやばいと訴えかけてくる

背中汗は一気に出てくるし、何かても震えてる気がする

ショ｢え、じゃあこれは｣


コング｢美味しいか?A｣

そんなキラキラした目で見るな

いかん、このままじゃコングの期待を裏切ってしまう


貴｢ま゛、まあ、な｣



よし、笑えた



コング｢じゃあ俺も小籠包食べ｣






コングの箸がショーター製の小籠包を掴む前に、自分の前に引き寄せる

ぷくっと頬を膨らませてもかわいいだけだからやめなさい


残りの3つを口に放り込むと途端に笑顔になるショーター





やめろ、今考えていることを口に出すな


私が口から出すぞ



ショ｢やっぱりAは食べっぷりがいいな!もっとあるからどんどん食べてくれよ!｣



そう言って鼻歌を歌いながら奥の厨房へ帰って行くショーター









死ぬかも



オーサーに殺られる前に死ぬ







英｢あ、この餃子おいしい｣


ア｢こっちの炒飯も美味いぞ｣

なんでお前らは平然と食ってんだよ

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