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……なになに今のっ?!
距離が近いやら、口につけてたことが恥ずかしいやら、涼介くんの仕草が恥ずかしいやらで一気に上昇する体温。
涼介くんは、もう一度私の顔を覗き込んで、
涼介「うん、もう大丈夫」
そう言って笑った。
「あ、あありがとう……」
完全に動揺してる私はきっと茹でダコのようになっていたかもしれない。
…だめだ、何かしていないとさっきの光景がリフレインしてしまう。
私は立ち上がって言った。
「……なんか、食べ物もらってくるね」
涼介「いってらっしゃい」
涼介くんは顔色を変えることなく私を見送って、ワインを口に運んでいた。
様になるなぁ…なんてまた見とれてしまいながらボーイさんが持っていたカナッペをいくつかもらって戻った。
ちょうどその頃、室内楽が一曲終わり、また次の曲が始まった。
少し切ない、けれど華やかな曲。
聞き入ろうとカナッペを一口かじった時、涼介くんが言った。
涼介「相原さん、行こ?俺らの番だよ」
「……え?」
カナッペをもぐもぐしながら聞き返す私。
涼介「踊ろう?」
「……えっ?無理だよ私…」
戸惑って首を振る私。
涼介くんは、すっと近寄ると、耳元で囁いた。
涼介「…大丈夫、俺がフォローするから」
「……でも」
涼介くんは私の言葉を無視して、私の手を取り、足元に王子様よろしく跪いた。
そして、手の甲に口付けると
一段と綺麗な顔で、
涼介「…俺と踊ってくれませんか?」
そう聞いた。
…キラリ。
一瞬、その瞳が金色に光った気がしたけど、
もう断れなかった。
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みあ(プロフ) - れんこんさん、ありがとうございます! (2018年11月1日 13時) (レス) id: eae51d2417 (このIDを非表示/違反報告)
れんこん(プロフ) - とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!応援してます。 (2018年11月1日 11時) (レス) id: 4e7518460b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みあ | 作成日時:2018年10月31日 18時