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アップにした髪の毛から後れ毛が落ちていて、広く開いた白いデコルテに映えている。
大人っぽいようで、赤くふっくらした唇はあどけない。
閉じられた睫毛にはわずかに涙が滲んでいて、俺らヴァンパイヤにとっては魅力的な光景だった。
裕翔「……うん、だよね」
伊野尾「……うーわ、やっべー」
伊野尾ちゃんの瞳がキラリと金色に光る。
ヴァンパイヤが獲物に惹かれた時の習性だ。
危険を感じた俺はみあを隠すように3人の前に身を乗り出した。
涼介「うっせーな、見んじゃねー」
すると伊野尾ちゃんはおちゃらけた声で「へいへーい」と言った後、叫び出した。
伊野尾「いーなぁぁ〜!山田はこんな可愛いコと結婚できてー!俺も早く結婚してぇー!」
裕翔「じゃ、俺ら邪魔者はそろそろ行きますかー」
知念「……ちょっと、っていうか僕は結構寂しいけど…お幸せにね」
伊野尾「まー、そんなに惚れてんなら応援するしかないし!山田ー、頑張れよ!」
涼介「……ありがと」
そう返事すると、
「さ〜て、じゃあ、俺は誰の血をもーらおっかな〜♪」と大きな声で叫びながら、ホール内の女の子を物色し始める伊野尾ちゃん。
裕翔「そんなだから結婚できないんじゃ…」
知念「同意ー」
すかさずツッコミを入れつつ、じゃあねと手を振って歩いていく裕翔と知念。
その背中を見送りながら、俺はみあの体を抱きかかえると、自分の部屋へ歩き出した。
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みあ(プロフ) - れんこんさん、ありがとうございます! (2018年11月1日 13時) (レス) id: eae51d2417 (このIDを非表示/違反報告)
れんこん(プロフ) - とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!応援してます。 (2018年11月1日 11時) (レス) id: 4e7518460b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みあ | 作成日時:2018年10月31日 18時