検索窓
今日:13 hit、昨日:39 hit、合計:691 hit

ページ ページ35

「ギャアッ!」


影が体をひねってのけぞった。

しまった!

弾は影の肩をかすめただけだ。

弾道が大きく逸れてしまう。


反動があることは分かっていたのに、私の力じゃそう簡単に制御できない。



急いで銃を構え直そうとした。

その隙にタックルして足を踏みつかれ、そのまま後ろに押し倒される。

その拍子に銃が手から跳ね飛んだ。

銀色の銃は石床の上を回転しながら、滑っていく。

いけない!


素早く体を起こして銃を拾おうとした時。

視界の端で、影の舌がズルッと伸びたのが見える。


「!」


私にしては奇跡的な反応で、その舌を掴んだ。


「くっ……」


くねる舌は今にも手から逃れそうだ。

ウナギを掴もうとする人と同じく滑稽な動きを続けながら、必死に目で銃を探した。


あった、あそこ!手を伸ばせば、きっと届く!

でも銃を拾おうとすると、それよりこの舌が私を襲うだろう。

そうしたら負ける!

負けたら、死より恐ろしい現実が待っている。

どうしよう。どうしよう!



その時、銃の手前に立つ棒が見えた。

これなら取れる!



そう思った瞬間、ほとんど反射的にそれをかなぐり寄せる。


「ギャッ!」


影が私の上から飛び退いた。


必死に掴んだそれは長い燭台で、その熱い蝋が彼女の皮膚を焼いたのだ。

けれど、蝋の熱さなど微々たるもの。

影が孕んだのは、ほんの一瞬だった。

すぐに跳ね起きて、カッと口を開ける。

だめ、防ぎきれない!!



そう思った瞬間、舌が矢のように飛んできた。

思わず目を瞑って、手にしていた燭台を突き出す。

そこからは不思議な時間だった。

次ページ→←前ページ


ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーアルファベット

X

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:名前変換オリジナル , 吸血鬼 , オリジナル   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:蒼(そう) | 作成日時:2023年12月29日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。