検索窓
今日:9 hit、昨日:4 hit、合計:37,442 hit

同棲 × オノデラタイシ ページ6

早く大人になりたい。
なんて思ってた過去の自分に言ってあげたい。
“この世界は理不尽ばっかりだよ”
なんてね。

ベランダの柵に肘を置き、夕焼けに染まる空を見詰める。
もうすぐ日曜日が月曜日にバトンタッチする。

「なに黄昏てんの」

後ろから聞こえた低い声に、前を向いたまま答える。

『あー働きたくないなー。って思ったの』

会社に行けば上司からの理不尽な嫌味に耐えなくてはいけないから。特に女の人からのね。

「Aは偉いよ。ちゃんと頑張ってる。」

優しい声でかけられた優しい言葉に後ろを振り返ると太志は優しい顔をして両腕を広げて、おいで、なんて。

その腕の中に飛び込むと、自分と同じ柔軟剤の香りに包まれた。

『太志と一緒に住んでてよかった』

思ったことを素直に口にすると、太志は小さく笑う。

「いきなりどうしたの?」

『嫌な事あってもすぐに抱きしめてもらえるじゃん。なんか安心する』

なんて言いながら斜め上にある彼を見上げて笑う。

「Aはニコニコ笑ってた方が可愛いよ。
だから俺の隣でずっと笑ってて」

というか可愛いから嫌がらせされるんじゃない?、なんて真剣な顔で言う太志に思わず吹いてしまう。

『…いつもありがと』

「ん?」

『太志がいてくれなかったら耐えられてなかったと思うから。
そういう意味の、いつもありがと、だよ』

素直な気持ちを口に出すのはなんだか照れくさくて、顔に熱が溜まっていくのを感じながらも、太志の目を見て微笑む。

「それはこっちの台詞」

少し顔が赤い太志は、それを隠すかのように、体の間に隙間が無くなるくらい抱きしめてきた。
それに答えるように太志の背中に腕を回す。

『今週いっぱい頑張ったらさ、』

「うん」

『週末、デート連れてって』

「いいけど。どこ行きたいの?」

『それは、太志に任せる』

なにそれ、なんて言いながら笑う大好きな笑顔を見てると幸せな気持ちになる。
太志も同じ気持ちだったら嬉しいな、なんて。

彼のおかげで今週も頑張れそうです。


【同棲 × オノデラタイシ】

夏祭り × イシカワユウキ→←2”



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (62 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
234人がお気に入り
設定タグ:西田有志 , 石川祐希 , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Mizuna(プロフ) - リベロ、山本選手との両想い話でお願いします! (2019年11月1日 6時) (レス) id: 30f1f4cb3e (このIDを非表示/違反報告)
strawberry milk(プロフ) - 石川くんに片思い的なお話お願いします! (2019年10月28日 21時) (レス) id: 8bb5d883c8 (このIDを非表示/違反報告)
みはりょ(プロフ) - 西田選手との彼シャツお話お願いします (2019年10月28日 20時) (レス) id: 0e6b4f9a0c (このIDを非表示/違反報告)
まりる(プロフ) - 石川くんのお話みたいです!女の子の日的なものと、大喧嘩しちゃったりなんだり… (2019年10月28日 19時) (レス) id: b47e72213e (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 福澤選手とのお話お願いします (2019年10月28日 17時) (レス) id: 97753079ed (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きのこ x他2人 | 作成日時:2019年10月22日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。