キミハイラナイヨ。10

第371話 日記(サラside) ページ19

少し読み進めると、日記を書き始めたのは小学3年生、今読んでいるところは小学6年生だとわかった。
数日置きに書かれていて、内容はその日にあったこととか、ごく普通の日記だ。
でも、内容が明らかに変わったところがあった。

5月10日 月曜日
最近、孤児院の中で変なうわさがある。
私に関することで、小学校の誰かをいじめてるとか、なんとか。
学校なんて週に3日行ってるか行ってないかなのに、なんでそう思ったんだか。

5月14日 金曜日
おかしいおかしいおかしい。
財布を盗んだ？お店で暴れた？
そんなこと一度もしたことない。
なのにどうして？
私は未だに1人で外を歩けないのに。

5月22日 土曜日
七瀬が、うわさを聞いた。
私のこと、きらいになっちゃった。

5月25日 火曜日
タバコなんて怖くて吸えないよ。
ねぇ七瀬、どうして信じてくれないの？
そんなに私のこと無視しないでよ、みんなこわいよ。

5月31日 月曜日
もうやだ。きらい。七瀬も紗菜もみんなきらい。


6月1日 火曜日
どうしてかな、私は今までずっとみんなのこと大好きだったのに、なんで？
なんで、そんなうわさを信じるの？
私、何かいやなことしちゃった？
もう、無視されるのは

6月1日の日記は書きかけで終わっていた。
ページの端には黒いシミがある。
ランマル「…あれ、これ…続きあるぞ…？」
サラ「え…？」

9月19日 日曜日
荷物を整理してたら、なぜかこの日記が紛れ込んでた。
あの飽きっぽい美菜がここまで日記つけてるとは思わなかったけど。3年も続くなんて、アイツにしてはよく長続きしたもんだわ。
この3ヶ月間、ぼーっとしてた。
美菜が死んだことがもう信じられなくて、気持ち悪かった。
引き取ってもらってから3ヶ月経ってるのにほとんど荷物開けてないの、すごくない？
あ、勿忘草の栞、まだ使ってるよ。
花のチョイスはどうかと思うけど。
いや、そんなことないか。美菜らしいっちゃ美菜らしい。花言葉とかすごい気にするもんね。
『私を忘れないで』だって。
アナタを殺した私を束縛するつもりなのかな美菜さんよ。流石にちょっと冗談キツいぜ。
でも、背負うよ。私の罪滅ぼしになるなら。
美菜は私のせいで死んだんだから。

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