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melt in cup -センラ ページ4

ゆるっと余った袖、履かれないスキニーパンツ、風呂上がりの濡れた髪。

なんて、男なら一度は想像するシチュエーション……なんてことはなく、胸元を強調しつつ、サイズ感はぴったりのパーカー、しかも少し短そうで、幅も残るスキニーパンツ、既に丁寧に梳かして、乾かして、ヘアオイルまで塗り終えた髪。

彼女が身につけているものは、下着以外全部俺のものだったりする。モデル並みにスタイルのいい彼女は、身長は男性平均より少し高いはずの俺の服をジャストサイズで着こなす。

これでヒールでも履かれたら、隣を歩く自分のプライドが玉砕する。

「センラくん、お風呂ありがと」

「はいはい」

冷たくない? なんて言いながらすり寄ってくるところとか、いや他にも可愛いところはあるけど、可愛いと思う。今だけは手元が狂うからやめてほしいところだけど。

「もしかして、ホットチョコレート?」

「そうそう、手元狂って火傷でもしたらAの親父さんに殺されるから大人しく離れてな」

「えぇ……。パパ、多分それくらいじゃ怒らないよ」

「嘘つけ! ……ん、できた」

オレンジピールと、生クリーム、ちょっと高めのクーベルチュールチョコレートを溶かして作るホットチョコレートが好きらしい彼女に作ってやったら、冬場うちに来たときは毎回のようにねだられるようになった。
……面倒だから、バレンタインが近くならないと作らないけど。

「センラくんのホットチョコレート好き〜」

「はいはい、ありがとうな」

「テキトーだね? 今作ってるのちょうだいよ」

「今作ってるのは俺の分」

まぁ、明日タンブラーに入れて持たせてやろうかな、なんて思いながら、てきとうにAをいなした。

窓の外を眺めると、Aを濡らした雨が雪に変わっていた。

pinky macaron -nqrse→←milky plate -そらる



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作者名:硝子体 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/glass_urtk  
作成日時:2019年2月2日 9時

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