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「なぁに目逸らしてるの?」
いつの間にか隣に座っていた東さんに驚いた。
ソファに座って足を組むだけでミステリアスな雰囲気を醸し出している。
「だって、東さんがいちいち色っぽいから…」
直視できないんですよ、と付け加えればまた笑われて。
「ボクのこと意識してくれた?」
逸らした視線をしっかり絡められた。
東さんの指が、つうっと私の手の甲をなぞった。
慌てて腕を引っ込めようとしたけど、東さんが逃がしてくれるはずもなく、指を絡める形になった。
所謂、恋人繋ぎというやつだろうか。
「…意識するも何も、」
私はぎゅっと絡められた指に力を込める。
「初めから東さんのことで頭いっぱいですっ…」
自分で言ったことに恥ずかしくなって、顔が紅くなる。
そんな顔を見られたくなくって、彼の胸に頭を預けた。
「A、」
いつも以上に優しい声音で名前を呼ばれる。
「…はい」
ゆっくりと顔を上げれば、東さんの顔が近づいてきて。
私達の距離は0センチになる。
「…好きだよ。」
「私も、ずっと前から大好きです。」
フォンダンショコラの中のチョコレートがとろりと垂れて、箱に落ちた。
その様子を視界の端に捉えながら、もう一度東さんと唇を合わせる。
そのキスは、チョコレートみたいに甘く、とろけるような気分にさせてくれた。
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作者名:Chocolate palette.製作委員会 x他4人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年2月14日 21時