お互いに / 佐久間咲也 ページ2
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視線を感じながら、ゆっくりと目的地に向かっていく
二年生が三年生の階にいるだけでこんなに見られてしまうのか
恥ずかしさで思わず体をすくめる
それでも私は、今日のために
彼氏のために、作ってきたチョコをしっかりと握って前を向いた
目的地に到着して、一息ついて扉を開く
「あの、佐久間先輩いますか?」
私は教室にいる女の先輩に声をかけた
女の先輩はキョロキョロ周りを見て佐久間先輩を探す
「佐久間く〜ん!!なんか後輩の子きてるよ!」
「あ!!Aちゃん!!!」
私を見つけた佐久間先輩は嬉しそうにこっちにやってくる
その姿に胸がキュンと鳴る
と、同時に
「……え?」
どよっとざわめきも起こった
「わざわざ教室まで来てくれてありがとうっ!」
にこーっと天使の笑顔を向ける佐久間先輩の顔をしっかりと見れずにいた
「佐久間先輩……そのチョコどうしたんですか……??」
私は佐久間先輩が腕いっぱいに抱えているチョコに目がいったのだ
「あ!これクラスのみんなに義理チョコって言ってもらったんだ!」
義理チョコって
抱えているチョコを見るとハートの形やらオシャレなリボンにラッピングされたチョコもある
絶対義理チョコじゃないのもあるよね、とは言えずに
「へぇ〜……良かったですね」
私はそれしか言えなかった
それはまぁ、彼女としては他の女の子からのチョコは断って欲しかったなと思った
でも嫉妬深い女って思われたくないし
「あ!今日一緒にお昼食べよっか!Aちゃんのチョコも食べたいし!」
ただえさえ年下なのに
子供っぽいとか、絶対に思われたくない
私はもやもやした気持ちを隠しながら自分の教室に戻った
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作者名:Chocolate palette.製作委員会 x他4人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年2月14日 21時