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冬特有の匂いといい、風の冷たさといい。
切なくなるのは 、今の心情故なのか 。


もう少しで下校時刻だと言うのに、彼の机には今朝の可愛らしい紙袋が置かれていて。
彼も私と同じで本命さんに渡せていないんだ、嬉しいのか切ないのか気持ちがぐしゃぐしゃだ。


教室の窓から見える日が傾き 、教室に残る人がぽつりぽつりと消えていく。




「 A 」

『 うっ、幸くん! 』




去年同じクラスだった幸くん 、同じクラスじゃないから声をかけられるとは思わなくて驚いた。
それにしても彼の鞄からは包装紙がちらりと見えて、人気だなぁと痛感 。






「 あ 、幸くん! 」

「 椋 、ちゃんと渡せた? 」

「 えっ…と 、まだ … 」

「 渡すまで帰らないからね 、俺は門のところで待ってるから」



うわぁあ 、と膝から崩れ落ちる椋くんとそれを少し鼻で笑う幸くん。



「 ほら 、王子様になりたいんじゃないの? 」


その言葉で椋くんは顔を上げた 。






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好きな人の恋愛事情は聞きたくなかった 。
ため息がでるのを誤魔化すように鞄に手を入れて
キャンディを取りやすい位置にしていたのを奥へと押し込む。恋心みたいに。



じゃあね 、と手を振って階段を降りていった幸くん。
この流れで私も帰ろうと踏み出したとき 、椋くんが小さく声を出した 。






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「 ____ Aちゃんのことを 、守りたいです 」





トクン、と音を立てて ぶわりと顔中に熱が広がって
何回もその言葉を頭の中で響いて。




「 僕と 、付き合ってくれませんか 」







____ 僕なんかが調子に乗りすぎました、とすぐに訂正して頭を下げ出す椋くんの頭を背伸びをして撫でる。


恥ずかしくて言えない大好き、を込めて 。





何度も頷いて 、こちらこそお願いしますと声にしたら、嬉しいそうに幸せそうに彼は涙を流しながら笑っていた。







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( 「 とってもとっても 、大切にします! 」 )


( 「 だから 、僕の手を離さないでくださいね」 )








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ノスタルジア / 斑鳩三角→←初恋宅急便 / 向坂椋



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作者名:Chocolate palette.製作委員会 x他4人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年2月14日 21時

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