天羽月彦 カレカノ キャンディ ページ28
夢主side
「つ、つきくん、この状況は一体…」
「…甘えちゃダメなの？」
「いや、そういう訳じゃ…」
今日はバレンタイン。何を渡そうか迷った結果、渡すお菓子に意味があることが分かって、『あなたが好き』と言う無難な意味のキャンディを送ることにした。イチゴ味のキャンディと、キャンディが張られたクッキーの2種類。
早速渡してしまおうと、つきくんに会いに来たのだが…。何故か会った途端抱きしめられ、その状態10分くらい経った。ソファに並んで座っている今もきつく抱きしめられている。いや、嬉しいのだがとても恥ずかしい。早くキャンディ渡したいのだが…。
「…今日バレンタインだよね」
「…そうだよ」
「俺は何番目に渡されるの」
「…へ？」
何番目？と再度聞いてくるつきくんに4人目と答える。ちなみに1人目はお父さん、2人目はいーくん、3人目はてつくんである。
「俺、彼氏なのに4番目に渡されるんだ」
「つきくん、もしかして…ヤキモチ？」
「…だとしたら何。悪いの？」
「全然！むしろいつもは私がヤキモチ妬いてるから、嬉しい。でも、ごめんね。嫌な気持ちにさせて。次はつきくんに1番に渡すから」
「…ん。そうして」
だから今日は甘えたなのか。とてもかわいい。
「そうだ、今更だけどバレンタイン、キャンディなんだ。…いる？」
「当たり前。今食べる。食べさせて」
そう言って小さく口を開けるつきくん。
「もーう、しょうがないなあ」
つきくんの口にキャンディを入れようとして止められた。
「…何？」
「違うでしょ。口移しでしょ。ふつう」
…なんで！？口移しはふつうじゃないよ！！
「今日、俺4番目…」
「うう…」
うなだれるつきくんに、何も言えなくなる。早く…と急かすつきくんによし！と気合いを入れた。1粒つまんで口に含む。
「…目、瞑ってて。恥ずかしいから」
「…ん」
目を瞑ったつきくんを見て、その唇に自分のを重ねる。少し口を開いて、キャンディを移そうとすると…
「んんっ！？」
少し空いた口の隙間からつきくんの舌が入り込んできた。頭ががっちりホールドされ、動けない。カラコロ…と私の口の中で転がされ、ジュルッとキャンディが彼の口に移った。
「…っはあ。…ちょっと！」
「お仕置き」
そう言ってニヤリと笑った彼は、いつもより妖艶で、私の顔は真っ赤に染まったのだった。
二宮匡貴 両思い マカロン→←烏丸京介 カレカノ キャンディ
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作者名：ミケ猫 | 作成日時：2021年2月24日 21時
