烏丸京介 カレカノ キャンディ ページ27
烏丸京介side
「機嫌直せよ」
「…別に」
「……」
互いに長い沈黙が続く。今は俺の家のリビングに2人っきりでいる。さっきまでは母さんもいたのだが、今は買い物に出かけている。俺の彼女である彩葉は母さんが家を出ていってから不機嫌になった。そうなったのはある理由がある。それは、俺が告白されている現場を見られたからだ。もちろん断った。俺は彩葉以外見ていない。
「…あの子の方が美人だった」
「は？」
「私と比べ物にならないくらい美人だった！しかも私と違って同じ学校！」
「彩葉落ち着け。俺は彩葉の彼氏だし、彩葉が好きだ。同じ学校でも、彩葉より美人でも他の人は興味無い」
「…でも、不安なんだよ。きょうくんかっこいいからモテるし…」
泣きそうな顔をしてこちらを見つめる彼女。気がついたら手を握って、自分の部屋まで歩いていた。
「え、きょうくん！？リ、リビングで待っててってきょうくんママが…」
「母さん出かけてるだろ。帰ってくる前にリビングに戻ればいい」
俺の部屋に入り、ベッドに彩葉を座らせ、抱きしめる。
「え、ああ…ちょっと」
慌てる声が聞こえるが、この際無視させてもらう。
「俺だって不安だよ」
「…え？」
「彩葉自覚ないだろうけど、結構モテてる。学校も違うしな」
「でも、私はきょうくんが好きだよ」
「俺も。だから大丈夫。俺は彩葉以外に興味ないから」
「…うん。ありがとう、ごめんねきょうくん」
「…んーん」
首を横に振り、気にしていないという意志を表す。そのまま強く抱き締めて横に倒れ込む。
「わっ…きょうくん、あの、キャンディ渡したいんだけど」
「…バレンタインか？」
「そう」
「じゃあ食べさせて。
口で」
「く、口で！？ム、ムリだよ！しかも今リビングにあるし」
「じゃあ後で…な。今だけ甘えさせて」
そう言うと彩葉は何も言わずに抱きしめてくれた。キャンディの意味【あなたが好きです】。俺もだよという意味を込めて、額にキスを落とすのだった。
天羽月彦 カレカノ キャンディ→←木崎レイジ 先輩 キャラメル
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作者名：ミケ猫 | 作成日時：2021年2月24日 21時
