冬島慎次 先輩 バームクーヘン ページ11
夢主side
私は今、冬島隊の隊室に来ていた。本当はいーくんも一緒のはずだったのだが、途中でてつくんに呼ばれて行ったので、先に来ていたのだ。
「冬島さん、こんにちは」
「お、こんにちは彩葉ちゃん。勇はどうした？」
「てつくんに呼ばれて行きました。すぐ戻って来るそうです」
「そうか」
隊室の中に招かれて、ソファに座る。冬島さんがお茶を出してくれた。
「ありがとうございます」
「おう」
そのまま少しの沈黙が訪れた。おっと、渡さなければ行けないものがあったのだ。今、渡してしまおう。
「冬島さん、これよければ…」
「お、バレンタインか？ありがとうな」
「いえいえ、一応いーくんからは聞いてたんですけど、バームクーヘンって大丈夫ですか？」
「ああ、好物だ。ありがとう」
そう言って、頭を撫でてくれる冬島さん。冬島さんの手はお父さんみたいで、とても落ち着く。
「そういえば、バレンタインに渡すお菓子には意味があるってご存知ですか？」
「あー、知らねえな」
「チョコレートは告白とかで、クッキーはお友達って意味で、グミはあなたのことは好きじゃないって意味らしいんです。グミが来たら要注意ですね」
「そうだな。…バームクーヘンはどういう意味なんだ？」
「幸せになって欲しいって意味ですよ」
と、伝えれば、じゃあ俺もホワイトデーはそれにしようか。と言った。
「…期待してますね！」
「おうよ」
それから数分としないうちにいーくんが来た。いーくんは、冬島さんが袋を持ってるのを見て、お返しは何にするかを2人で真剣に話し合っていたのだった。
その間に私はスマホゲームをしているのでした。
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作者名：ミケ猫 | 作成日時：2021年2月24日 21時
