# 20日目 ページ6
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フ「…Aって、そんなにスタイル良かったの…？」
失礼な、と言いながらキヨが寝っ転がる布団を跨いで自分の寝床に座る。
ふと顔を上げると、先に温泉から上がって酒盛りをしていたはずのみんなの視線が、一気に私に集まっていることに気がついた。
『…何、気持ち悪いな』
レ「…無理言って温泉旅行来てよかったなぁって」
___遡ること、1日と13時間前。
いつものように6人での撮影を終えた私たちは、いつものように自然な流れで「今から何しよう」トークに移った。そこでキヨがぽつりと投げかけた、「俺明日から5日間休みだわ」という一言が、あれよあれよという間におっさん5人を動かし、私を巻き込み、この温泉旅行に駆り出させたのだ__。
ガ「アラサーなのに中々やるねぇ、お姉さん」
『アラフォーなのに何を抜かしてんだ、おっさん』
私の薄紫の浴衣の裾を軽く摘むガッチさんのすけべな手を叩き、手近にあった銀のビールのプルタブを開ける。モニターに映されたスマブラの画面が、丁度キャラ選択の画面に移ったのを見て、コントローラーを拾い上げた。
キ「お、最弱の女参戦？」
『うるせー、ちょっとは強くなったわ』
フ「この前ぴらのさんにボッコボコにされてたじゃん」
『その話は内緒って言ったじゃん(笑)』
ぎゃあぎゃあと騒ぎながらビールを煽っていると、ふとこちらを見て微笑むレトさんと目が合った。優しい笑顔に釣られるように頬を緩めた瞬間、あっ、と彼の口元が動いた。
__それと同時に、布団に座った私の太ももの上に、何かが乗っかってきた。
『え…！？』
牛「ん…ふふ、」
ふー、っと微かにお酒の匂いがする蕩けた微笑みに、思わず絆されそうになるけど、違うそうじゃない。
『ちょっ、何してんの』
お酒のせいで熱を帯びた牛沢の肩を揺さぶっても、一向に起きる気配はない。そりゃまあ、ここに来るまでの運転もしてくれてたわけだし、寝るのもわかるんだけど、場所を考えて欲しい、死ぬほど冷やかされてるから。
『もー起きてってば、牛沢、』
牛「…A、ねえ」
『何だよ酔っ払い、』
牛「……かわいくなったね、A」
__突然投下された、爆弾。
空いた口が塞がらない私と、他の4人を取り残したまま、牛沢は1人睡魔に喰われていった。
…この後いじり散らかされた私が、世紀の大勝利を収めたのは、また別の話。
私が消えるまで、あと80日。
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sssato310(プロフ) - コメント失礼します。このお話すごく好きで堪らなくて8回くらい読み返してます。もう更新されないのでしょうか、、、アピスさんの作品とても好きなので更新されるの楽しみにしています！ (2022年4月2日 0時) (
レス) id: 5031cdb017 (このIDを非表示/違反報告)
かけたま - コメント失礼します。いや、面白すぎて凄いです。ごめんなさい語彙力無くて。^_^でもすっごい感情とか、情景が伝わってきて毎回楽しいです…。これからも楽しみにしてますねしてますね！！！！ (2021年10月21日 21時) (レス) @page17 id: a9aad67263 (このIDを非表示/違反報告)
アピス(プロフ) - ゆのまるさん» ゆのまる様、コメントありがとうございます。勿体無いお言葉まで頂いて、本当に嬉しいです。これからもゆっくり更新となりますが、何卒宜しくお願い申し上げます。 (2021年6月10日 16時) (レス) id: 7d62638449 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのまる(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します…！作者様の言葉の選び方が本当に素敵で読む度、お話に惹き込まれてます(; ;)そして、更新ありがとうございます！今後の展開がとても気になるので、無理せず頑張ってください…！応援してます！ (2021年6月10日 0時) (レス) id: 587b75f302 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アピス | 作成日時：2021年5月14日 3時
