# 30日目_�� ページ13
.(フジside)
見つからない。
飛び出していったAのケータイがキヨの家の机の上に置いてあることに気づいた俺たちは、「きっとすぐ帰ってくるよ」というレトさんの一声に大人しく家で待っていた…けど。
30分経っても、1時間経っても帰ってこない。
痺れを切らしたうっしーが部屋を飛び出したかと思うと、全員が続々と探す場所を呟いてキヨの家を出ていった。かく言う俺も、唯一車で来たということで少し離れた大通りや駅前周辺に足を運ぶ。
「どこ行ったんだよ…」
いつもなら、当たり前のように助手席を陣取るAが、楽しそうに話しているのに。
…そういえば、車に乗ると必ずスマホをどこかに直してひたすら俺と話すAに、一度だけ「気遣わないで、スマホ見ても好きなことしてもいいんだよ」って声をかけたことがあったな。そしたら「フジと話すのが楽しいからだけど、うるさかったかな？ごめんね」って逆に謝らせちゃって、二人して車内でアワアワしたっけ。
__そんな温和で人懐っこくて、優しい彼女が居ない車内は、異様に冷たく感じた。
__もしこのまま戻って来なかったら。
そんなことを、考えてしまった。
思えば、彼女には"そういう雰囲気"がどことなくあった気がする。いつも気品に溢れてしなやかで、それでいて愛嬌に溢れている彼女だけど、その反面儚さや今にも消えてしまいそうな切ない影が、見え隠れすることもあった。俺の思い違いならいいけど、手を離したらふっと消えてしまいそうな、そんな目をするAを見たのは一度や二度じゃない。
もしも、Aが居なくなったら。
最悪のことが頭をよぎって、思わずアクセルを踏み込んだその時だった。
「__っA、！？」
大通り沿いにある、駅の改札前。
小さい背中に長い黒髪、白すぎる肌に真っ赤なネイル__間違いない、Aだ。家を出たときには取ってなかった黄色い花束を片手に抱えているけど、俺が大切なAを見間違えるはずがない。
「___A、！」
俺は、出せる限りの声で彼女の名を呼んだ。
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sssato310(プロフ) - コメント失礼します。このお話すごく好きで堪らなくて8回くらい読み返してます。もう更新されないのでしょうか、、、アピスさんの作品とても好きなので更新されるの楽しみにしています！ (2022年4月2日 0時) (
レス) id: 5031cdb017 (このIDを非表示/違反報告)
かけたま - コメント失礼します。いや、面白すぎて凄いです。ごめんなさい語彙力無くて。^_^でもすっごい感情とか、情景が伝わってきて毎回楽しいです…。これからも楽しみにしてますねしてますね！！！！ (2021年10月21日 21時) (レス) @page17 id: a9aad67263 (このIDを非表示/違反報告)
アピス(プロフ) - ゆのまるさん» ゆのまる様、コメントありがとうございます。勿体無いお言葉まで頂いて、本当に嬉しいです。これからもゆっくり更新となりますが、何卒宜しくお願い申し上げます。 (2021年6月10日 16時) (レス) id: 7d62638449 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのまる(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します…！作者様の言葉の選び方が本当に素敵で読む度、お話に惹き込まれてます(; ;)そして、更新ありがとうございます！今後の展開がとても気になるので、無理せず頑張ってください…！応援してます！ (2021年6月10日 0時) (レス) id: 587b75f302 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アピス | 作成日時：2021年5月14日 3時
