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嫉妬‐ジョン・スタインベック ページ4

 ‐‐‐木下さんありがとうございます‐‐‐

 ‐‐‐組合にいる頃のスタインベック君です‐‐‐






 僕は今、すごく嫉妬している。
 何故かって?

 「うふふ、ルーシーやっぱり可愛いわね」
 「んぐっ!?
 ……Aさんっ、人の食べてる姿勝手に見ないでちょうだい!」

今日のAは人との距離がやたらと近いからだ。

 「ごめんなさい、すごく頬張ってるものだったから…
 あ、ここ…」

 Aが手を伸ばす。
 それを僕は黙って、空間に穴が開きそうな程見つめていた。

 「ケチャップ、ついてるわよ」

 ぺろりと彼女の赤い舌が、
 自身の指に着いた赤いものを舐めとる。

 「〜〜〜っもう!」
 「うふふ、赤くなっちゃって…」



 「A」

 頭が、おかしくなりそうだった。
 
 「あら、ジョン君…
 ふふ、ふふふ、どうしたのそんな顔して」

 「……。」

 「…私の部屋、行こうか」




 部屋、と言ってもA専用の客用個室だった。
 僕を慰めたり、宥めたりするのはいつもこの部屋だ。

 「嫉妬…してるんだけど」
 「誰に?」
 
 「………、」
 「…あぁ、そんな泣きそうな顔しないで…
 ごめんなさい…やりすぎちゃったわね」
 
 「そんな顔してない」
 「してたわよ」
 
 Aが腕を広げると吸い込まれるように埋もれた。
 薄く、柔らかい手のひらで頭を優しく撫でられる。

 「こんな姿、君の前だけだ…」
 「故郷の人にも、組合の人にもないの?」

 「…ない」
 「ふふふ、ジョン君可愛い…私だけのジョン君。
 こんなに嫉妬してるジョン君が見れるのは世界で私だけなのね…。」

 「あんまり言わないでくれないか…
 妹達に合わせる顔が溶けてしまいそうだ。」

 「そうね、こんなかっこよくないジョン君…
 貴方は家族の為に働く強い強いお兄ちゃんだもの。
 だからね……」
 
 狭い部屋に小さくリップ音が響く。
 心地よい、柔らかいものが唇にあたる感触がした。


 「今のうちに甘えておくのも手だと思うけど?」
 
 「…君の言うことに逆らえないの、どうしてだろうね」
 「ジョン君が情けないからじゃない?」
 「いじめないでくれないか」
 「ふふ、ごめんなさい…つい、ね」
 

嫉妬‐マーク・トウェイン→←リクエストについて-



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おしるこぉ - えっヘタレ文豪まじきゃわわ…好き……出来たらでいいのですが、リクで、スーパー攻め様夢主ちゃんと頑張って優位になろうとする乱歩さんを!!!お願い!!!します!!!!(叫び)幸せにしてやってください!!!!!← (2019年6月8日 1時) (レス) id: 4bcefc2029 (このIDを非表示/違反報告)
闇川幽鬼 - 今日更新された独歩様凄い萌えました! (2019年6月6日 0時) (レス) id: 0339c9b694 (このIDを非表示/違反報告)
桜咲月菜-Luna.Sakurazaki- - そこで……大変おこがましいのですが…り、リクエストしてもよろしいでございましょうか!!??(←)旧双黒で、さ、さんぴー………的なことを…………(赤面)ほ、本当に済みません!!!出来たらで良いんです!!!!本当ごめんなさい!!!!! (2019年5月19日 20時) (レス) id: 1276fff981 (このIDを非表示/違反報告)
桜咲月菜-Luna.Sakurazaki- - まっ、待って、ド性癖………ドンピシャすぎてヤバイ………この気持ちを何処へぶつければ良いんだッッッッッ!!!!← (2019年5月19日 20時) (レス) id: 1276fff981 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - メイド服(クラシック)を着た芥川…だと!?ガタガダドンガラガッシャーン (2019年5月16日 22時) (レス) id: d74fa5c180 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろもざん | 作成日時:2019年3月1日 0時

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