テニプリの世界とかシャレにならん (ページ7)

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ストイック男子との出会い方ページ7

｢パンパパン♪パンパパン♪｣

CMでよく流れているパンの歌を歌いながら、裏庭で菓子パンの袋を取り出す空は上機嫌だった

それというのも、先程丸井からLINEで『明日俺の友達を紹介するぜぃ』と来ていたからだ

ブンちゃん先輩の友達言うたら絶対テニプリキャラに決まっとるやん！もうここまで来たら全員にあってやる！と無駄に気合を入れていた

｢いただきまぁす｣

両手を合わせてからスグにメロンパンに齧り付いた

｢うっま！このメロンパンめっちゃ美味いやん！明日も買お！｣

………空の欠点は独り言がでかい事だと昔誰かに言われていた

｢ん？お前も欲しいんか？｣

いつの間にか空の足元には三毛猫がするっと寄ってきていた

猫の背中を優しく撫でながらそう問いかければ、にゃあと一言鳴き膝の上で気持ちよさそうに欠伸をした

｢なんや、いらんのかい｣

左手で猫の背を撫で、右手でメロンパンを食べていた空は動きを止めた

｢……？｣

何処からか視線が感じるのだ

ジッとしていると痺れを切らしたのか猫の尻尾がパシパシと空の太ももを叩いた

｢ん？おぉすまんな｣

謝りもう1度その背を撫でればにゃあと鳴いたと同時にガサっと草の音と共に1人の男子生徒が飛び出てきた

｢｢あっ…｣｣

2人の間抜けな声がその場に響いた

｢えっと……なん？｣

｢い、いや、その｣

あまりにも吃るその男子に、空は焦らせることなく待つことにした

｢ね、猫…｣

｢ん？｣

｢猫好きなのか……？｣

膝の上で気持ちよさそうに寝ている猫を指さしながら緊張した面持ちでそう言った男子生徒に空は満面の笑みでうなづいた

｢おん！めっちゃ好きやで！｣

｢俺も｣

少しだけ嬉しそうに口角を上げた男子生徒と笑いあった

｢俺、雨宮空｣

｢俺は海堂薫だ｣

マジか！コイツテニプリキャラやないか！！
目つき悪いけどよぉ見りゃイケメンやし！

｢よろしくな｣

｢おん、よろしゅう｣

それから2人はチャイムがなるまで、その場から動かずに楽しく談笑していた