精霊達の愛し子【番外編】 (ページ16)

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［レイラside］

《ラギーの部屋》

ﾗｷﾞｰ「オレの願いは…

『給料いいとこに就職できますように』」

ｷﾗｷﾗｷﾗ)

「…ラギーくんはよく考えてるのですね」

ｽﾃﾗ「そうね。将来の願いは初めて聞いたわ」

ﾗｷﾞｰ「そういうヤツらは“今”が良ければ満足って考えなんじゃないっスか？」

ﾄﾚｲ「つまりラギーは違う、と」

ﾗｷﾞｰ「オレはもっと強欲なんで。ずーっと先の未来の安定まで欲しいんスよ。今日が良くても、明日苦労するんじゃ意味ないんで…でも給料のいいとこって競争率めちゃくちゃ高いじゃないっスか。面接の他にも難しい試験がある所もあるし、それを突破できるかが心配なんスよね…」

そうしょぼんとするラギーくん(可愛い)
思わず頭を撫でると擦り寄ってくる

ｽﾃﾗ「ラギーくんは面接得意そうじゃない」

ﾄﾚｲ「ああ。ラギーが誰かと話すのに物怖じする所は見た事がないしな」

ﾗｷﾞｰ「へへっ。そこは自信あるっス。なんせ昔からバイト三昧で社交性は身についてるんで！」

「ラギーくんは頑張ってるもの！きっと叶うわ」

そう笑うと、ラギーも笑い返してくれた

《ジャミルの部屋》

ｼﾞｬﾐﾙ「俺の願いは…

『一人旅ができますように』」

ｸﾞﾘﾑ「一人旅ぃ～？地味な願いだな」

ｼﾞｬﾐﾙ「地味な願いで悪かったな。大体聞いておきながら文句をつけるのはどうなんだ？」

ﾄﾚｲ「俺はジャミルの望み、いいと思うぞ」

「寮生活だと中々一人の時間は持てないものね」

ｽﾃﾗ「みんなで騒ぐのも楽しいですけど、静かな時間も欲しくなる。という事ですよ」

ｸﾞﾘﾑ「えーっ？全然理解できねーんだゾ」

私たちの説明に首を傾げるグリムに苦笑いする
ここに来るまで独りぼっちだったグリムは周りに沢山人がいる今の状況が楽しいのだろう

ｼﾞｬﾐﾙ「トレイ先輩、レイラ、ステラ。俺の気持ちを汲んでくださってありがとうございます。でもそこまでスラスラと出てくるなんて3人にも心当たりが？」

ﾄﾚｲ「はは…まあな」

「私たちはそういうのは無いけれど、人間にとって1人になる時間も必要だと思っただけです」

ｽﾃﾗ「そういえば、行き先は決まってるんですか？」

ｼﾞｬﾐﾙ「行き先…か。正直、どこでもいいんだ。具体的なプランまでは考えていないが、自分の事を知る人のいない所で一度のんびりしてみたくて…」

「ゆっくり羽を伸ばせる日が来るといいわね」

ﾄﾚｲ「ああ。俺もお前のささやかな願いが叶うよう祈ってる」