精霊達の愛し子【番外編】 (ページ3)

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［ユウside］

ｸﾞﾘﾑ「そういえば、よくわかんねーまま講堂に来てみたけど今からなにをするんだ？」

ｴｰｽ「お前、また聞いてなかったのかよ。“星送り”だよ、“星送り”」

ｸﾞﾘﾑ「なんなんだゾ？ソレ」

ｴｰｽ「え…マジで言ってる？」

「マジで言ってる」

ｴｰｽ「ユウもかよ…」

よほどこちらではポピュラーなのか、レイラちゃんもエーデュースも目をまん丸にしている

ﾃﾞｭｰｽ「異世界から来たユウはまだしも、グリムまで“星送り”を知らないとは…」

ｸﾞﾘﾑ「そんなに有名なモンなのか？」

ﾃﾞｭｰｽ「まあ、世界中の地域や学校で行われてるし知らない人はいないだろう」

ﾚｲﾗ「まぁ、グリムは魔獣だもの。仕方ないんじゃないかしら？それに私も参加するのは初めてよ」

ｴｰｽ「え！？マジ！？」

今まで精霊の森から出た事がないレイラちゃんも、妖精達から話を聞いてるだけで実際の“星送り”は見た事がないみたい
なので楽しみなのか、顔がキラキラしてる(可愛い)

ｸﾞﾘﾑ「だったらオレ様達にも詳しく教えるんだゾ」

すると、レイラちゃんが手のひらに水を集め、ミラーを作る
すると、木の人形を満面の笑みで撫でるおじいさんが浮かび上がってきた

ﾚｲﾗ「“星送り”は“ウィッシュ・アポン・ア・スター”に倣った伝統行事よ」

ｸﾞﾘﾑ「うぃっしゅあぽんあすたあ？」

…聞き覚えが全くない単語が出てきたぞ
グリムと一緒に頭にはてなマークを並べると、エースが嫌そうに顔を歪める

ｴｰｽ「うげっ、そっからかよ！？」

ﾚｲﾗ「ふふ、グリムにも分かりやすいように説明すると、あるおもちゃ職人のおじいさんが自分で作った木のお人形さんを大層気に入ってね」

ﾃﾞｭｰｽ「『本物の子供になりますように』と願ったんだ」

ﾚｲﾗ「そしたら夢が叶って、人形に命が宿った…という昔話よ」

ﾃﾞｭｰｽ「それが“ウィッシュ・アポン・ア・スター”子どもの頃、よく聞かされたな…」

…なんだかピノキオみたいだなぁ
“星送り”は1年に一度、そのおじいさんが祈ったとされる日に星に願いを捧げる行事らしい

その為に必要なのが“願い星”なんだって
てか願いを込めると光るってどんなファンタジー？？

それに木に飾るって？？え？？
クリスマスツリーですか？？それとも七夕？？

ｸﾞﾘﾑ「変な行事なんだゾ」

…こればかりはグリムに同意