シンキングタイム ページ27
*Aside*
その後、東條莉奈は退部したので家へ帰った。
だけど、笑いながら
「今度は成功してみせる……!!」
って呟いていたから、多分反省してないわアイツ。
岩泉「霜崎ー!忘れ物はねえか?」
『ねえッス!!』
合宿も終わりになり、俺たちはバスに乗り込もうとしていた。
だが、今俺はあの事件が起きた____水道場にいる。
白布「待ったか、霜崎」
『おう、丸一日くらいな』
白布「お疲れ様」
そう、俺はこんな時に白布に呼び出されていた。
もうそろそろバスに乗らなきゃいけないっつうのに…!
白布「朝の答え、聞くの遅くなった」
『?…ああ、どっちが仕事してると思うか、ってやつか』
白布「まあ、もう答えは決まってると思うが一応聞く」
そう言う白布の顔は、少し悔しそうだった。
東條に見事に騙されていたからな…。
『俺さ、あのとき嘘ついた』
白布「…嘘?」
絞り出すように声を出す。
あのときに嘘をついて、それが良かったのかは今でも分からない。
だけど、真っ向から俺の話を聞いてくれる白布には、言ったほうがいいと思った。
『分からない、っていうの嘘』
白布「じゃあ、もうお前は答えが決まっていたのか?」
『…ああ』
白布「どっちを……」
『んなの、桃井先輩に決まってんだろ』
白布「………え?」
今まで騙していてごめんな、白布。
俺さ…、桃井先輩がちゃんと仕事してんの、前から知ってたんだわ。
*
「霜崎くん…だっけ?練習お疲れっ!」
「今のレシーブすごく綺麗だったぁ!!」
「今日は蜂蜜入れてみたんだけどぉ…美味しい…かなぁ?」
「ボールとかは私が出すからぁ、みんなはアップしてていいよぉ!!」
*
今まで桃井先輩がかけてくれた言葉が、次々に頭の中に浮かんでは消えて行く。
夜遅くまで残ってやった自主練に付き合ってくれたのも、
選手の為に自分の時間を割いてでも尽くしてくれたのも、
この中の誰よりもバレー部のことを想ってくれてたのも……
全部全部、桃井先輩だ。
俺が入部する、ずっと前から。
『東條がどんなに桃井先輩を嵌めようとしても、青城は多分…いや、絶対、
桃井先輩しか信じないと思う』
その信頼も、三年間桃井先輩が積み重ねてきたものだ。
そう簡単に崩せるわけねえだろ。
*
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噂のキャンディー(プロフ) - カリントウさん» それな!!!!!!! (2022年6月22日 15時) (レス) @page33 id: 97930f92c9 (このIDを非表示/違反報告)
カリントウ(プロフ) - 瑠奈ちゃんと夢主付き合ってほしいなー (2018年8月13日 2時) (レス) id: b222a96851 (このIDを非表示/違反報告)
なの。」 - 続編、楽しみにしてますね!!これからも頑張って下さい! (2018年8月11日 23時) (レス) id: 5b35dbe8d1 (このIDを非表示/違反報告)
りう - ばれちゃった?ってかわいいかよおい。 (2018年8月9日 15時) (レス) id: 8e6cda3aa7 (このIDを非表示/違反報告)
春乃咏羽(プロフ) - 桃井先輩好き。素直に好き。 (2018年8月8日 2時) (レス) id: 303acd236b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Runa | 作成日時:2018年7月12日 22時