Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A) (ページ33)

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Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A)３３ページ33

早く忘れて楽になりたい。
幸せだった時間を忘れたくない。

辛い気持ちも、幸せな気持ちも全てにあなたが居て、あなたから始まる。

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廊下に貼られたSnowManのポスターに
意図せず足を止めてしまう。

ポスターの中の阿部は、爽やかな笑顔を浮かべていて
その笑顔に、きゅ、と胸が締め付けられた。

阿部と別れてから、彼と離れてから２ヶ月を超えて
もうすぐ３ヶ月が経とうとしていた。
あの時切った髪も伸びて、もうすぐ肩にその毛先が触れる長さになろうとしている。

時間が経つのは早いと感じるのに
テレビで、雑誌で、ネットで阿部の姿を見る度に
未だに泣きたくなる自分に苦笑を禁じ得ない。

次の恋を探さなくては、と思いながらも
仕事の多忙さを理由に、何１つ行動は起こせていなくて
こうして、いたる所で見かける阿部の姿に溜息を吐くばかりだ。

「Aさん、ちょっといいですか。」
「はーい。」

と言っても、多忙であることは嘘ではない。
欠員は１人分のはずだったが、空いていた仕事の穴は
とても１人分とは思えない量で
事務所の場所や建物の造りといった、物理的な違いはもちろん
人の空気、仕事のやり方、果ては言葉のイントネーションまで変わった環境で
その穴を埋めていくのは
ワクワク３割、疲弊７割といったところ。

消化しても消化しても終わらない仕事に
どこかで自分で区切りをつけなければいけない、と分かってはいても
無理矢理にでも、区切りをつけてくれる人も
区切りをつけるための約束をしてくれる人も
今のAには居なくて、ただただ仕事に時間を費やしている。

自分を呼ぶスタッフの後について廊下を歩きながら
Aは欠伸を噛み殺した。

つかれたな。

１人で過ごす日常は
とても気楽で自由で、少し疲れる。

阿部と一緒に居た頃に比べて
気を張ることも、心配することも減って
彼に費やしていた時間の分だけ、余裕ができるはずなのに
あの頃より少しだけ、疲れている。

それは、この終わらない仕事と新しい環境のせいだと、
いつまで自分に言えるだろうか。
Aはもう１度、欠伸を噛み殺した。