Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A) (ページ32)

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Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A)３２ページ32

「阿部ちゃん、そんな、Aさんのこと好きなんやね。」
「そう聞かれると、恥ずかしいけど、そうみたい。
　でも、最近はそれだけじゃないっていうか。」
「？」
「自分でも、なんて言っていいか分からないんだけど
　こう、信頼…はもちろんしてるんだけど、
　それとも違う、何か、あるんだよね。もっと、こ」

カシャ。
阿部が腕組みをして、言葉を探していると
突如予想もしない音がして、顔をあげれば向井がスマホを向けていた。

「ちょっ、…今写真撮るところだった？」
「阿部ちゃんがめっちゃええ顔してるから、つい。」
「いい顔してたかなあ…。」

ただの悩み顔な気はするが、向井的には何かヒットしたのだろう。
阿部は苦笑して、肩を竦めた。

「まあ、なんにせよ、Aさんがこっちに戻ってきてからには
　なっちゃうんだけど。」
「まあ…会いに行くのもアリやけど
　Aさんは会いたがらんやろうし
　知らん土地でっていうのも…厳しいよなあ…。」
「そうなんだよね、Aさんの仕事の予定も分からないし…。
　いつ帰ってくるんだろ。」

すっかり存在を忘れて、ぬるくなったアルコールを呑みながら
２人は同時に溜息を吐いた。

顔が見たいな。

そんな思いが、また阿部の中に積もった。