Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A) (ページ30)

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Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A)３０ページ30

「阿部ちゃんは、Aさんじゃないとあかんの？」
「…どういう意味？」
「阿部ちゃんが、Aさんとやり直したいって
　気持ち決めたのは、分かってるんやけど。
　…２人が別れてから、もう２ヶ月くらい経つやん。
　気持ちはしんどいと思うけど、２人とも１回も連絡とらんと
　２ヶ月過ごせたんやろ？」

阿部は黙って向井の言葉に耳を傾けている。

「お互い、お互いが居ない時間に、大分慣れてきたんちゃう？
　このままさ、時間が経ったら、辛いのも、忘れていったりしんの？
　もし、またAさんに会ったら、折角ちょっとずつ忘れてきてるの、
　思い出して、またしんどくなったりするかもしれんやん。」
「…康二は、俺とAさんがやり直すの、反対？
　俺じゃ、康二から見て、やっぱり無理だと思う？」
「反対やない。俺、阿部ちゃんとAさんが一緒におるの、
　めっちゃ好きやねん。２人ともめっちゃ良い顔で笑ってて
　見てる俺も幸せな気分になって、ほわほわーってすんねん。」
「お、おう。ありがとう？」
「でも。もう１回会って、やり直せんかったり
　やり直せても、また…また、同じように２人がしんどくなる
　結果になるんやったら。…このままでも。
　このまま、時間をかけて、忘れてってしまうのも良いやんって…思ってまう。」

ぽつりぽつりと、言い辛そうに言葉を紡ぐ向井に
阿部は、ああ、と声を漏らす。
これで、合点がいった。

「康二、もしかしなくても、俺と別れた理由についても
　Aさんから、何か聞いてる？」
「……Aさんから言われたわけちゃうよ。
　大阪行きの件もそう。
　たまたま、俺が廊下で、スタッフさんと話してるの立ち聞きしてしもて
　その流れで、俺からAさん聞いて、教えてもろただけ。
　俺にもぎりぎりまで言うつもりはなかったって、言うてた。」

阿部は、はあと溜息を吐くと
ぐしゃぐしゃとまた自分の髪をかき混ぜた。

「本当俺ってダメだね。
　色々聞いてごめん、でも聞いて良かった。
　舘様の言う通り、勝手に勘違いするところだった。
　教えてくれてありがとう。
　心配してくれて、ありがとう。」

それから一気にグラスを半分程空けると
覚悟を決めるように、短い息を吐いた。

「少し、俺の話聞いてもらってもいい？」
「もちろんやで。」