Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A) (ページ21)

今日:39 hit、昨日:36 hit、合計:55,767 hit

Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A)２１ページ21

向井がAと出会ったのは
まだ少し馴染めない東京のレッスン室から出て
でも行く場所もなく、廊下をウロウロしていた時で
医務室から、ひょっこり顔を出したAが
飴をくれたのが始まりだった。

「大阪から来た、向井康二くん、でしょ？」
「あ、はい…。」

にっこりと笑ったAに
自分はそんなしおらしい返事をしたような気がする。

今思えば、事務所のお偉いさんか、
阿部から何か言われていたのかもしれないが
Aは向井を見かける度に声をかけてくれて
向井が医務室へ顔を出すと喜んで招き入れてくれた。

メンバーともスタッフとも少し違う、
年上のAと彼女の居る医務室は
何となく、いつもゆっくりした時間が流れていて
向井にとっては、ホッとできる場所になっていった。

そんなある日。
向井が医務室を覗くと
そこにはメンバーの阿部が居て
思わずそのまま、ノックもせずに入ってしまう。

「阿部くん、体調悪いん？怪我した？
　さっきのレッスン？？」
「あれ、康二？
　ううん、ちょっと頭が痛くて
　痛み止め貰いにきただけだから大丈夫。
　ありがとう。」

余程自分は不安そうな顔をしていたのか、
少し驚いた顔をした後、緩やかに笑んだ阿部が
ぽんぽんと肩を叩いてくれる。

「ホンマに？無理したらあかんよ？
　Aさん、ホンマに阿部くん大丈夫なん？？」
「まあ、熱もないし、本人も大丈夫って言ってるし
　大丈夫だと思うよ。」

ゆるりと笑んで頷いたAに、ホッと息を吐く。
そんな向井に、２人揃ってくすくすと笑う姿が
どことなく、なんとなく似ていて。

「…阿部くんとAさんって、遠い親戚だったりするん？？」

思わず、そんなことを聞いていた。