Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A) (ページ3)

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Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A)３ページ3

朝と呼ぶには些か遅い時間に鳴ったスマホのアラーム。
阿部はのそりと起き上がると
アラームを止めて
そのままスマホ画面をぼんやりと見下ろした。
通知を知らせるメッセージアプリを開くと
メンバーや友人から幾つかメッセージが届いていて
Aの名前はその下に流れてしまっていた。

昨日までは、おはようとAに送っていたメッセージを
今日から送ることはできない。
Aとの日々が終わった事を証明するように
彼女の名前は、段々と下へ移動してしまうんだな。

寝起きの頭を軽く左右に振って
阿部は仕事に行く準備を始めた。

昨日は着の身着のまま
ベッドに入ってしまったから
今日は普段より支度に時間がかかる。
少し開きづらい目も、冷やす必要があるだろう。
それが、今の阿部にはちょうど良かった。

「おはよー。」
「阿部ちゃん、おはよー…って
　なんか、顔浮腫んでんね？ふっかの呪い？」
「俺の呪いってなんだよ？！」

動画の撮影のため部屋に入れば、そこは普段通り。
先に入っていた佐久間と深澤が
不思議そうに阿部に寄ってきた。

「やっぱ分かる？
　昨日ちょっと遅くまで飲んじゃってさ。
　結構、まずいかな？」
「大丈夫だとは、思うけど。
　昨日Aさんとドライブって言ってなかった？」
「あー…その後、家で1人で飲んじゃってさ。」
「へー、珍しいね？」
「まあね。」

誤魔化すように笑う阿部の視界の端に
棒立ちになって、スマホと阿部を落ち着きなく見る向井が見えた。

こんな時、佐久間と一緒に飛んでくる向井が
側に来ないのが珍しくて、阿部は首を傾げる。
そんな阿部の様子に、
あからさまにしまったと言う顔をした向井が
スマホをポケットに突っ込んで、駆け寄ってくる。

「何々?、何の話してんの?。
　俺も混ぜてよぉ。」
「阿部ちゃんがふっかの呪いにかかったって話だよーん。」
「だから俺の呪いって何だよ！
　酒飲んだって言ってたじゃん！」

ぎゃいぎゃいと騒ぐ深澤と佐久間に戯れつきながらも
チラチラとこちらを伺う向井の眉尻は分かりやすく下がっていて
その表情と、先程やたらと向井が見ていたスマホに
阿部はようやく合点がいった。