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Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A)18 ページ18

「じゃあ、今は非日常なんだ。」
「そう。」
「時間が経ったら
 非日常を日常に変えられそう?」
「…多分ね。でも、それは嫌なんだよね。」

むくりと体を起こした阿部が椅子に座り直す。
少し赤くなった目の縁が、痛々しい。

「嫌なんだね。」
「嫌。すっっごくいや。」
「相当嫌なんだね。」

唇を尖らせる阿部の姿は、子供のようで
少しだけ宮舘は笑った。
阿部のこう言った姿は珍しい。

「Aさんが居ないのが普通になるとか、本当やだ。
 嫌だけど、そう思ってるのは
 俺だけなんだと思うと、悲しい。」
「阿部ちゃんだけなのかな?」
「そうじゃなかったら、別れてないよ。」
「Aさんも、今頃後悔して
 やっぱり阿部ちゃんと居たいなーって
 思ってるかもしれないじゃない。」
「それは、、ないよ。
 だって、あれから全然連絡ないし。」
「阿部ちゃんだって
 Aさんに連絡してないでしょ。」
「……。…俺には、俺にだけ、大阪行きのこと
 言ってくれなかったし。」
「阿部ちゃんにだけ
 話してなかったのは事実だけど。
 俺たちが聞いたのも、今思えば
 阿部ちゃんの耳に入らないように
 先手を打った結果って感じだけどね。」
「…でも、康二はちゃんと聞いてたよね。」

あの時、確かに康二は、Aとこの件について
話したようなことを言っていた。
だが、その経緯は分からない。

「康二は、何でAさんと大阪行きの件、
 話したんだろうね。」
「それだけ仲が良いってことじゃない?」
「…阿部ちゃん、あれから康二と話した?」
「…してない。」
「じゃあ、康二に聞いてみたら?」
「え?」
「康二が大阪行きの件知ってた理由とか
 …何でAさんが泣いてたのか、とか。」

押し黙る阿部の前で、トントンとテーブルを叩いて
視線を上げさせる。

「阿部ちゃんも、たぶんAさんも、頭が良いから
 推測して、自己完結しちゃうところ、あるよね。
 きっとその推測が間違ってることは少ないし
 読み取ってあげるのが、優しさになる時も
 勿論、あるんだろうけど。
 実際に、話してみたら違ったってこともあるんじゃない?」

思い当たる事があるのか、阿部の目が少し揺れる。
宮舘は、トントン、ともう一度机を指で叩いた。

「だから、康二の話、聞いてあげてほしい、かな。
 結構、落ち込んでたから。」
「……そうだね。今度ご飯誘ってみるよ。」
「そうしてあげて。」

ふ、と笑みをこぼた宮舘が
思い出したように首を傾げる。

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設定タグ:snowman , 阿部亮平 , 向井康二   
作品ジャンル:タレント
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作者名:Y.Harumizu | 作者ホームページ:http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/  
作成日時:2023年4月2日 9時

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