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Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A)17 ページ17

あれから2週間後。
変わらず、Aの居ない毎日をぼんやりと過ごしている2週間。
阿部は宮舘と小さな個室で呑んでいた。


「舘様。」
「うん?」
「前に、どんな駄々こねたいって聞いたじゃん?」
「うん。」

既に半分目が閉じたような、眠そうな顔の阿部は
テーブルに頬杖をついて、手遊びするように
ほとんど飲み干している、酒のグラスを揺らしている。
その前に座る宮舘は、ただ頷いて返した。

「あれから考えたんだけど。
 照に言われたことも、めめに言われたことも。」
「そう。何か、答えは見つかった?」

小さな個室の中、オレンジ色の照明が
阿部の睫毛の影を落としていた。

「照の言ってたことの答えは、やっぱり分かんない。
 区別なんてつけらんないよ。
 好きな人から言われたから、悲しいのかどうかなんて。
 だって、Aさんしか居ないし、
 こんなに長く一緒に居た、好きな人。」
「そうだね。」
「でも、めめの言ったことの答えは
 分かった気が、する。」
「うん。」
「Aさんが居なくても、割とやっていく方法は
 あるって分かった。」
「そうだね。まあ、佐久間達が言うように
 ぼーっとしてる時は増えたかもだけど
 阿部ちゃん、ちゃんとしてるもんね。」

宮舘がまた頷く。
阿部は、頬杖を付いていた自分の手から
ずるずると頭を落として、机にぺたりと頬をつけた。
茶色の髪が阿部の表情を隠す。

「でもさ。
 それはAさんのこと考えないでいれば、って
 条件付きなんだよね。」
「考えないでいれば。」
「うん。Aさんのこと考えちゃうとダメ。
 本当ダメ。」
「そんなにダメなんだ。」
「そうなの。本当、心臓が壊れたのかってくらい
 痛いの。息も上手く出来ないし
 次から次にAさんのこと思い出しちゃって。
 会いたくてたまらなくなる。」
「つらいね。」
「つらい。あれから、ずっとつらい。
 思い出したくないけど、
 考えたくないけど、無理だよね。
 美味しいもの食べたら
 一緒に食べたいなって思うし
 綺麗なもの見たら、一緒に見たいなって思うし。
 スマホ開いたら、メッセージきてないかなって思っちゃうし。
 
 考えないとか、無理だよ。
 だって、Aさんが居るのが俺の日常なんだから。」

小さく鼻を啜る音が聞こえたが
聞こえないフリをして、宮舘は一口酒を飲んだ。

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設定タグ:snowman , 阿部亮平 , 向井康二   
作品ジャンル:タレント
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作者名:Y.Harumizu | 作者ホームページ:http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/  
作成日時:2023年4月2日 9時

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