ヴァンパイアに恋しちゃいました【M!LK】④ (ページ41)

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しかしながら、この二人の事など露知らず、月日が流れても他の人間やヴァンパイアたちは互いの種族を忌み嫌い、争い合っている。
二人はそれを嘆き悲しみ、同じように心を痛めていた。
サーノリアはシオックの長と話し合いの場を設けようと奮闘したが聞き得れてもらえるはずもなく、
一方のマリーも、同じようにシオックの戦士たちにヴァンパイアとの争いを辞めるように説いていったが、それも何一つ効果はない。
そんな二人の想いを知ってか知らずか、両種族の戦いは激しさを増すばかり。
どうすればよいのかなど、二人にはその答えを見つけることはできなかった。

サーノリア「今日、また仲間が大勢死んだ……」

マリー「……そう……。
どうして、こうなってしまうのかしら……。
何で皆わかってくれないの……。
もう、私どうすればいいのかわからない……！」

サーノリア「マリー……。お前が泣くことじゃない……」

マリー「でも……。このままじゃ、いずれあなたまで……私は、あなたが心配なのよ、サーノリア……」

サーノリア「心配するな……。お前を置いて、逝ったりはしない……」

けれども、一向にシオックの民とヴァンパイアの争いは収まる気配はなく、次第にヴァンパイア側が劣勢。
王として、サーノリアはヴァンパイア一族の為に何をすることもできずにいることに、ひどく心身を憔悴させていた。
仲間を守れず、戦いを止めることもできず、いたずらに時間だけが過ぎていく。
そして――――