ヴァンパイアに恋しちゃいました【M!LK】④ (ページ39)

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それからというもの、彼らは毎晩のようにこの湖畔で密会を続けた。
誰にも気づかれず、二人きりで、毎日、毎日。
そんな二人がお互いに好意を持つのに、そんなに時間はかからなかった。
例え違う種族であっても、人間とヴァンパイアは口にするものと苦手な物以外はほとんど同じ。
それに、全てを受け入れてしまう器量の大きなマリーに、サーノリアの心はすっかり魅了されていたのだ。
かくいうマリーも、神秘的で紳士的で心優しいサーノリアに心底惚れこんだ。

サーノリア「マリーといると、日々の争いなんて忘れてしまうぐらい、心が安らぐ……」

マリー「私も、あなたといると、とても暖かいわ……サーノリア……。
もしかして、あなたに心を操られてしまっているのかしら……？
ヴァンパイアは人の心を操るって言うし……」

サーノリア「そういう力がある奴もいるけど、俺はそっち方面の才能は全くないんだ……」

マリー「あら、そうなの？」

サーノリア「たとえ使えても、マリーには使わないよ……」

マリー「どうして……？」

サーノリア「だって、マリーには俺の事、本当に、想ってて、もらいたいし……」

マリー「そっか……。
サーノリアって、本当に優しい人……。
最近じゃ、もう人の血も吸ってないんでしょ？
それは、私の為……？」

サーノリア「それもあるけど……。
俺には……夢があるんだ……」

マリー「夢……？
どんな夢……？」

サーノリア「まだ、秘密……」

マリー「ふふ……。
じゃあ、聞かせてくれるのを楽しみにしてるわね……」

サーノリア「あぁ……」

二人は誰の目にもつかない湖畔の水辺で一晩中身を寄せ合って水面を見つめる。
それだけで互いの心は惹かれ合い、満たされていった。
月日を重ねるごとに、彼らの仲も、愛も、夜の闇のように深く、深く。