ヴァンパイアに恋しちゃいました【M!LK】④ (ページ36)

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翌日、日もとっぷり暮れた月あかりが照らす森の中。
静かな湖畔の水辺でマリーは冷たい水面を見つめながらある人を待っていた。
もちろん、それはヴァンパイアの王であるサーノリア。
けれども、かれこれ彼女は3時間もこの場所で、こうやっていつ来るともしれない彼を待ち続けていた。

マリー「今夜は静かで月がキレイ……」

最近は毎晩のようにシオックの民とヴァンパイアとの抗争が続いていたが、今夜はそんな気配は感じられず、何とも静かで穏やかな夜だった。
そんな夜の森の木陰に黒い影。
背に真っ黒なマントを羽織り、口元には長く伸びた牙が二本。
ヴァンパイアの王であるサーノリアは、湖畔の近くの木の陰からそっと辺りを見回していた。

サーノリア「本当に待ってるじゃん……。俺が来ると本気で思ってんのか……？」

と言いつつ、この場所に現れたサーノリア。
彼に尋ねたら、きっとたまたま通りがかっただけ、そう答えることだろう。

サーノリア「……っていうか、俺はこんなところで何してんだ……。早く帰ろ……」

ふと我に返り、用もないのにこの場所であの人間を気にしている自分を否定する用に首を横に振り、サーノリアは湖畔から離れることにした。

マリー「はくしゅんっ！ぅぅ……寒い……」

と、背後の湖畔から、マリーのくしゃみ。
今夜の気温は一段と寒く、ヴァンパイアですら身震いしてしまうほど。
そんな寒空の下、マリーは彼が来るのをずっと待っているのだ。

サーノリア「…………」

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