ヴァンパイアに恋しちゃいました【M!LK】④ (ページ32)

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女性「あなたは優しいヴァンパイアさんなのね……。
仲間の為に、涙を流すなんて……」

サーノリア「…………」

女性「ヴァンパイアさんはとってもクールな印象があったけれど、違ったみたい」

サーノリア「だったらどうした……」

女性「ううん……。
みんなヴァンパイアさんたちのことを化け物だの悪魔だのと言うけれど、今の私にとってみれば、あの人たちのほうがよっぽど化け物や悪魔に見えるわ……。
心を、失いかけているみたいに……」

サーノリア「まるで自分は違うと言いたげだな……」

女性「どうかしら……。
ヴァンパイアさんから見たら、私たち人間はみんな同じに見えるわよね……。
きっと私も化け物で悪魔なのかも……」

サーノリア「…………」

それを聞き終えたサーノリアは、背に羽織ったマントを翻し、夜の闇へと消えていく。
彼にとってみれば、彼女とこんな風に長居をする理由などないのだから。

女性「それでも私は！
あなたたちが生きていける未来の為に、この森にいるわ……。
明日も明後日も……ずっと……」

サーノリア「好きにすればいい……。
俺には関係ない話だ……」

女性「そうね……。
でも、私はまた会いたいわ、あなたに。
私の名前はマリー。
また会いましょう、ヴァンパイアさん……」

マリーと名乗った彼女に背を向け、サーノリアは夜の闇にまぎれてその姿を消した。

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