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女性「私たち人間のせいで、あなたたちがこんなにつらい思いをしているなんて……。
本当に……ごめんなさい……」
サーノリア「お前に謝られたところで……。
死んだ仲間は戻ってこない……。
それに、なぜお前が泣くんだ……！
俺達を馬鹿にしているのか……？！」
女性「違うわ……。
私は、全ての命は平等だと思っているの……。
だけど、他の人はそう思ってる人は少ない……。
あなたたちだって生きているのに、誰もそのことに気付いていないの……。
人間は本当に勝手な生き物よね……。
私達だって牛や豚や鳥を殺してその肉を食べているのに、それが当然だと思っている……。
それなのに、いざ自分たちがその立場になればそれは間違っていると刃を向ける……。
止めようと頑張っているけど、私一人の力ではどうしようもできない……。
あなたたちヴァンパイアを救ってあげることができない自分の無力さに泣いているの……。
だからこうして毎晩森を歩いて、せめて傷ついたヴァンパイアさんを手当てしようと思っているけれど、それも気休めにすらならないわよね……。
そんなこと、分かっているんだけど……」
サーノリア「笑わせるな……。
人間の手当てなど……そんなもの必要――――」
そう言いかけたところで、サーノリア自身も体に負った傷の痛みに顔をゆがませる。
背中の刺し傷に腕の切り傷。
本来ならばこの程度の傷であれば数分もすれば元通りのはず。
けれども、相手はヴァンパイアの息の根の止め方を熟知したヴァンパイアハンター。
彼らの弱点である銀製の武器を使い、傷を負わせてくる。
その結果、ヴァンパイアの治癒能力が著しく低下してしまうのは言うまでもない。
女性「あなたもひどい怪我をしているわ……。
嫌かもしれないけど、私に診せてもらえない……？」
サーノリア「必要ない……！！ぅぐっ……。
早く……ここから……消えろ……！！」
女性「……ごめんなさい……。
やっぱりそれは聞けないわ……。
そんな傷で放っておけないもの……」
そして、彼女は赤い瞳で睨みつけるサーノリアに臆することなく彼に歩み寄り、そして、背と腕にできた大きな傷跡の手当てを始めたのだ。
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作者名：milkssss | 作成日時：2021年2月20日 16時
