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太智「「今日は満月。月の光がお前の力を弱くさせてくれる！！」
勇斗「ぅぐっ？！十字架……？！」
月の光が反射した十字架に照らされ、勇斗さんは胸を押さえて蹲ってしまった。
A「太智やめて！！！お願い！！！」
ここでじっとなんてしてられない！
私は太智の元へ駆け寄って、その十字架を掴んで払い落とした。
太智「A！何すんだよ！！やめろよ！！」
A「太智こそもうやめてよ！！こんなことしても何もならないよ！！」
太智「俺はお前を助けたいんだよ！！お前の体を半分ヴァンパイアみたいにしたのはこいつなんだろ？！
こいつはAを餌にしようとしてるだけなんだぞ？！
もしかしたらもうすぐ殺されるかもしれない！！」
A「そんなわけないじゃない！！勇斗さんはそんなことしない！！
私がこんな体になったのだって、私が望んで勇斗さんに血を吸ってもらっただけ！！」
太智「やっぱり血を吸われたんだな？！もうすぐ完全に血を抜かれるぞ？！
その前に、今すぐ俺がお前を解放してやる！！
あのヴァンパイアを殺して、今すぐに！！」
そして、太智は私を突き飛ばして再び青く輝く銀の剣を握りしめた。
目の前で勇斗さんが体勢を立て直して、何とか立ち上がっている。
でもその前に、太智が剣を突き出して勇斗さんへ突進しだした。
あのままじゃ、勇斗さんが避ける前にあの剣が、勇斗さんに……。
そんなの、駄目だよ……。
太智が、勇斗さんを殺しちゃうなんて、そんなの……
そんなの……
A「そんなの駄目！！！」
無意識に、私の体は勇斗さんの方へ駆けていて、そして、勇斗さんを守るように太智と勇斗さんの間に飛び出していた。
勇斗「A……？！」
太智「っ？！！A！！どいてくれ！！！」
勢いの付いた太智の剣は、もう止められない。
切先が勇斗さんを庇う私の方へまっすぐに突き進んでくる。
あぁ……このまま私、あの剣に突き刺されて……
だけど、勇斗さんが刺されちゃうより、何倍も良いよ、ね……
そして、私のすぐ目の前までその剣が迫り、私は目を閉じた。
これで勇斗さんを守れるなら、これでいい……。
ドスッ
と、鈍い音が私の耳に飛び込んだ。
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作者名：milkssss | 作成日時：2021年2月20日 16時
