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太智「あの転校生が言ってたこと覚えてる？
用があるのはAじゃない……。Aの家の同居人の方だって……」
A「そ、そんなこと、言ってたっけ……？
太智の聞き間違いじゃ……？」
太智「それならそれでいいよ……。
でも、仁人さんも言ってただろ……？
Aには何か良くないモノが見えるって……。
それに、お前のその体の変化……。
太陽がまぶしい？日中眠たくなる？
それに普段飲まなかったトマトジュースを最近じゃ毎日飲んでる……。
これじゃまるで……ヴァンパイアみたいだ……」
A「た、たまたまだよ！」
太智「それだけじゃない……。
前までヴァンパイアに興味もなかったお前が、急に俺にヴァンパイアについて聞いてきたことあっただろ？
そう、丁度ハロウィンの次の週ぐらいから。
あのハロウィンを境に、こんなにお前の周りでヴァンパイアに関することが沢山起きてる……。
つまり、お前の家の同居人……そいつ、ヴァンパイアなんじゃないの……？」
A「ち、違うよ！！何のこと？！っていうか、うちに同居人なんていないよ！！」
太智「嘘つくなよ……。
じゃあその首筋の痣は何……？」
A「え……」
太智が指差した先。
そこには、勇斗さんがかみついたときにできた二つの小さな丸い痣。
誰にもばれていないと思ってたけど、太智には見つかってたんだ……。
太智「そんなもの、前までなかったじゃん……。
転校生がいなくなった日から、お前の首筋にその痣……。
それは、ヴァンパイアに噛まれたときにできる痣と一緒なんだよ、A……。
ここにもそう書いてあるだろ？」
太智が見せてきたまた別の書籍。
そこには、私の首筋にできた痣と同じような痣がイラストで描かれているのだ。
A「こ、こんなの……」
太智「これもたまたま？たまたま最近そんな痣が浮き出てきたっていうの？
それともこんな季節に虫に刺された？
そんなわけ、ないよな……？」
A「…………」
太智「俺はヴァンパイアハンター、シオックの民の戦士の末裔……。
なら……俺にはやらなきゃ駄目なことがあるんだよ……」
A「ま、待ってよ太智……。それってもしかして……」
太智「そう……。
俺はお前をそんな体にしたそのヴァンパイアを……殺さなきゃいけない……」
――――
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作者名：milkssss | 作成日時：2021年2月20日 16時
