《桃》３食、望くんの愛情付き。 ページ9
〆．
3食、望くんの愛情付き。
〆．
「A〜」
望くんが私の前にガトーショコラを置いた。
「ハッピーバレンタイン」
優しい微笑みを見せながら、彼は私に口付ける。
「Aに喜んでほしくて、頑張ってもた」
確かに……お店で出てきそうなクオリティだ。
「ほら、口開けて？」
甘い。彼が、甘い。
今の私は首より下が上手く動かなくて、だから彼に頼らざるを得ないのだけれど……。
彼はそれに満足している。
「んふふ、おいし？」
「美味しい、ありがとう」
彼に依存してしまっているが、それは彼が望んだことだ。
「逆チョコってええやろ？」
「うん。嬉しい」
「んふふ」
今度口の中に入ってきたのは、望くんの舌。
「ん、やっぱうまい。３割増」
「関係ないでしょ」
「あんの。もっとちょうだい？」
口の中のガトーショコラは既になくなっているのに、望くんはお構いなし。
「……っ、はぁ、」
気持ちよくて、もっとしてほしくなる。
「A、可愛ええ」
くふふと笑って、望くんは私を優しく抱き締めた。
「望くん、ありがとう。でも私、何も返せなくて……ごめんね」
「ええの、Aからはいつもいっぱいもらってるから」
何を、なんて質問は野暮。
望くんは私のことが好きで、私がそばにいればそれで十分で………
私の右半身を再起不能にしてしまうくらい、私を愛している人だから。
望くんの狂った愛に身を委ねた以上、物理的に依存せざるを得ない私は、
私に精神的に依存している望くんを受け止めないといけない。
「幸せなバレンタインデーだよ」
「ふふっ、ほんま？」
「私も望くんにいっぱいもらってる……」
「うん、俺があげたいから」
彼の背中に腕を回すこともできない私は、永遠に彼を頼って生きることになる。
それでいい。
来年も、再来年も、
彼は私にチョコを渡し、
私は彼に何も返せないまま。
それが望くんの願いなら。
「愛してるよ」
「俺も愛してんで」
ひたすらあなたに依存していくだけだ。
〆．
《？》私の青春は99％の笑いと1％の恋愛でできている。→←《桃》望くんに捧げる必需品
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紅鮭 - リクエストお願いします！望くんの愛情付きで、主人公ちゃんがのんちゃんを抱きしめたいと泣く。というお話を見たいです！ (2019年2月22日 19時) (
レス) id: b9054f2fb1 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - コメント失礼します…！結構前からファンです()リクエストなのですが、2.5枚目なあなたと。のバレンタインバージョンをお願いしたいです…！ (2019年2月12日 0時) (レス) id: 3cedab38fa (このIDを非表示/違反報告)
きゃんでぃー♪ - 2度目のリクエストっていいですか？時間があったらでいいのでちゃうねんっ!!のやつが見たいです。2回もリクエストしてしまってすいません！ (2019年2月8日 22時) (レス) id: c2201849bc (このIDを非表示/違反報告)
彩乃(プロフ) - わたあおシリーズ見たいです…！ (2019年2月7日 0時) (レス) id: df7938dc75 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんでぃー♪ - シゲオカダイキの方もありがとうございました笑全部のお話が面白いですね！ (2019年2月5日 7時) (レス) id: c2201849bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はゆな
| 作成日時：2019年1月31日 19時
