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無事、ライブが始まる前に会場に到着することが出来た私は一番に剛くんの所へと向かって全力でお礼を言った。
私の全力さがおかしかったのか「なんだよそれ」とケラケラ笑われたけど。
その様子を見ていた他のメンバーたちはニコニコしていたり無言で写真を撮ったりしている。
『ちょっと!写真は撮らないでくださいよ岡田さん!』
「あ、バレた?」
『バレバレですよ!』
こんな砕けた会話でも、気がつくと敬語とさん付けになっている私はすっかり仕事モードだなと自分自身に苦笑した。
『それでは私はこれで。本番も頑張ってください!』
6人のゆるーい返事が聞こえて、逆に安心する。
〜〜
『お疲れ様でーす、あ、荷物もらいますね』
本番が無事終わり6人はそれぞれシャワーを浴びに行った。
明日もライブがあるから今日はゆっくり休んでもらおう。
井ノ原くんから荷物を受け取ったときに「俺らの楽屋で待ってて」と言われたので大人しく1人楽屋で待機する。
しばらくじっと待っていると部屋をノックする音が聞こえた。
『はーい?』
スタッフの方かな?と思い、扉に向かって返事をする。
ガチャリと扉が開くと綺麗な女性が顔を覗かせた。
私はこの女性を見たことがある。この人は最近よくテレビに出ているタレントさんだ。
「あれっ?」
女性は拍子抜けしたような声を出す。
『あ…すみません、今メンバーはおりません』
「あっ、そうなんですね〜!挨拶しようと思って来たんですけどいつ頃戻られますか?」
そういえばこの前健くんと共演してたな、と思い出す。
『あと10分ほどで戻ると思いますが…』
「わかりました〜、…あ、じゃあ私ちょっと次の予定があるので帰りますね!」
『では私の方から伝えさせて…』
「ううん!大丈夫です!私が来たことは言わないでいただけません?」
『は、はい』
失礼しました〜、と台風のように去っていった。
再び1人になると、彼女の高い声がやけに耳に残った。
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それ(プロフ) - みるくプリンさん» みるくプリンさんありがとうございます。前作でもコメント頂けて嬉しかったです!次のお話も気長にお待ちいただけると嬉しいです(^^) (2020年12月5日 22時) (レス) id: 11ffe0d4ff (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - 完結おめでとうございます&お疲れ様でした!いつも楽しく読ませて頂きました。新作も楽しみです。これからも頑張って下さいね。あ、右の星をポチらせていただきました~(*^^*) (2020年12月5日 17時) (レス) id: e740d416ca (このIDを非表示/違反報告)
それ(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!のろのろ更新ですが温かく見守って下さるとうれしいです! (2020年10月10日 16時) (レス) id: 11ffe0d4ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とても面白いですね!続き楽しみにしてす!! (2020年10月4日 19時) (レス) id: f016a9c02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:それ | 作成日時:2020年3月22日 23時