子猫と勘違いして煉獄兄弟拾って来てしまった女性の話。

にゃんが六匹 ページ6

「今日は仕事を休んでまた買い物をしてしまった！！」


「大量の食材ですね……Aさん」


千寿郎くんが眉を下げる。

「杏寿郎さんが沢山食べるからね。子どもにしても…」
「よもや！！」

杏寿郎さん(五歳)の食欲は半端ない。
もう食費が一番恐怖だったが、神様からのプレゼントのおかげでなんとか大丈夫だ。




「杏寿郎さん、千寿郎くん、他に必要なものとか無いですか？」
「特に無いな！」
「はい！」

服も日用品もだいたい昨日買って、今日は食材買って……。



「あぁ！服！子ども服買ってない！」
「子ども服……たしかにそうだ」


私達は子ども服を買いに行った。




＊＊＊


「…杏寿郎さん、この服とかどうですか？可愛いですよ？」
「よも……俺がこのような服を着るのか…」

「千寿郎くんはもっと小さいこれかな」
「ひゃぁぁ…少し恥ずかしいですね…」



二人とも顔を真っ赤にして選んでいるのを見て、ついニヤけが止まらない。
二人とも今は大きいからなかなか恥ずかしいのだろう。



周りの視線も気になるが、いっか。
二人はとんでもなくイケメン枠や天使枠の為、みんな彼らとすれ違い、振り向いて立ち止まる。





無事買えて、車に戻ろうとすればポツンと雨が降ってきた。

「っ！！やばい！杏寿郎さん！！今すぐこれを被ってください！！」


私は急いで杏寿郎さんを優先してジャケットを脱いで杏寿郎さんに被せる。
一番子どもに戻られて大変なのは杏寿郎さんだ。

車の中で鬼殺隊ごっこなんてされたら全員あの世行きだ。
本当に笑えない。


「いや、、君が濡れて…」
「私は濡れてもいいんです！！とにかく杏寿郎さんは貴方だけは濡れてはいけません！」


千寿郎くんが「僕は……？」みたいな目を向けるので、私は千寿郎くんの肩に手を置いた。



「千寿郎くんは大丈夫。子どもになっても。私達は死なない」
「え？えぇ？」





しかし……





「くそっ……なんで！！杏寿郎さん！！」

「A！！俺はきさつたいし、れんごくきょうじゅろう！」
「杏寿郎〜！！！」





なぜ私の渡したジャケットを千寿郎くんに渡した！！！



千寿郎くんは杏寿郎さん(五歳)の姿を見て固まっている。


「あ、兄上…」
「よもや！千寿郎！お前もきさつたいしに……」
「Aさん、意味が分かりました」




「千寿郎くん、これは私たちの命がかかってる。協力してくれる？」
「え、い、命ですか！？」
「えぇ……彼を……杏寿郎を止めるのよ！！」

全力で！

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