にゃんが二十九匹 ページ29
「Aさん、いつも……そのお世話になっているので……Aさんのために何かしたいんです……僕、Aさんのためなら何でもしますっ!!」
「え?」
「千寿郎!!?」
風呂から上がり、さぁ、ぐーたらしようと思っていた私に、照れながら千寿郎くんが言うものだから、私は頭を冷やすために外に出ようとしたが、全力で杏寿郎さんに取り押さえられた。
「せ、千寿郎くんっ!!そんなあやしい言葉、大人に言っちゃダメですっ!!」
「千寿郎!!!」
杏寿郎さんは動揺しすぎて、「千寿郎!!」としか言えないようだった。
杏寿郎さんの動揺っぷりは少し面白いけど、私も私でとんでもなく動揺してるから笑えない。
「本当に、僕、そう思っているんですっ……僕っ、Aさんのお役に立ちたいですっ……」
上目遣いにはあれほど弱いと言っているのに!!
千寿郎くん……。
額を押さえる私。
いや、千寿郎くんが性格良すぎるから、こんなピュア発言してしまうわけで。
「千寿郎くんは、いつも私のお弁当作ってくれたり、家の家事やってくれたり……もうこれはお金を払わなければいけないことなのに、それをタダでやってくれてるじゃない?とても助かってるの!そう言ってくれるだけで嬉しい!ありがとう」
「Aさんっ……」
ふぅ、なんとか上手くかわせたかな。
千寿郎くんの発言はとんでもないから気を付けないと心臓が粉砕する。
「Aさん、最近肩が凝っているそうですね」
「あ、うん、そうなん___」
そうそう、最近デスクワークで、肩が凝っ____
言いかけて固まる。
まずい!!ハメられた!!!
そう思ってももう遅い。
千寿郎くんはニコリと笑って、口を開いた。
「最近、Aさんが肩が凝っていると聞いたのでマッサージの仕方をテレビとやらでやっていまして……」
「あ、千寿郎くん、そろそろ夕飯…の準備〜とか…」
「まだまだ時間ありますから、Aさん、寝てください」
「えぇっと、杏寿郎さん?」
杏寿郎さんに視線を向ければ、慌てて杏寿郎さんが口を開く。
「千寿郎!俺にしてくれないか!!」
「兄上、散々練習に付き合ってくれたではありませんか!」
え?練習?
「マッサージの練習したの……?」
そう聞けば千寿郎くんはポポっと頬を染めて小さく頷いた。
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丸(プロフ) - グミさん» わぁぁ!!グミさま〜!!お優しいコメントをありがとうございます。゚(゚´ω`゚)゚。グミさまの心を少しでもホワホワさせることができたのなら幸いです!こちらこそ長い間お付き合い下さりありがとうございました!<(_ _*)> (1月30日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
グミ - 途中まで読んでいて、でも忙しくて全然読めてなかったのですが、ちらっと除くと完結、と出ていたので一気読みしてしまいました!2人と別れる時、涙が溢れてきました。でも!再会できて良かったです!!しあわせになって、良かった…!コメント失礼しましたm(*_ _)m (1月30日 6時) (レス) @page50 id: 9cb77040e4 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - maxiahさん» お久しぶりです!maxiah様!(*´∇`)心が浄化されましたか!それは光栄の極みです!!長い間おやすみしていたのにも関わらずお優しいお言葉胸にしみます(*/-\*)素敵なコメントをありがとうございました!m(_ _)m (2022年4月7日 17時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
maxiah(プロフ) - お久しぶりに拝見させていただきました。はぁ心が浄化されます。好きです。 (2022年4月6日 22時) (レス) @page37 id: f2fb6597c0 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - 墨染さん» わぁぁ!墨染さまっ!こんばんは!こちらこそ、墨染さまとお話する時は安らぎの一時です!いつもありがとうございますm(_ _)mこれからも、墨染さまを幸せにできるようなお話作りを頑張ります…!(*´▽`*) (2021年7月6日 22時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
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