ごじゅうに ページ2
「はいっ!杏寿郎さん!あーん」
先程買った出来たてのまんじゅうを口元に近付けると、嬉しそうにパクっと食いつく杏寿郎さん。
「うまいっ!!」
その声で周りの人がビックリする。
「杏寿郎さん、目立ってます」
「よもや…すまない」
「いや、大丈夫です。もう一個どうぞ」
手渡すと、杏寿郎さんは不満そうな顔をする。
「杏寿郎さん?」
「むぅ……」
「ふふっ、分かりました」
頬を膨らませる杏寿郎さんが可愛くて、自分の分だったまんじゅうを杏寿郎さんの口元に持っていくと、嬉しそうに目を細めて、杏寿郎さんがパクっと食いつく。
あぁ、可愛い。
「うまいっ!!」
「あぁ、もう、杏寿郎さん」
静かに、と言うと杏寿郎さんは嬉しそうに自分の持っていたまんじゅうを私の口元に差し出す。
「ほら、A。あーん、だ」
「え、わ、私もですか!?」
「ほら、あーん」
周りの人が見ているが、ここで断ったら杏寿郎さんの笑顔が……。
「んっ……あ!美味しいっ!」
「そうか、それは良かったな!次はどこに行こう!」
腕をしっかりと絡められ、離れる隙がない。
それで杏寿郎さんが苦しくならないのならそれでいいけど。
周りの熱々のカップルね、みたいな温かい目が少しこそばゆい。
「次は、ここに行ってみたいです!」
携帯の画面を見せると、杏寿郎さんは笑顔で頷く。
「よし、行こう!」
旅館の近くの神社を見たり、杏寿郎さんの日本史の知識を交えて、歴史的建造物を見たり、
修学旅行気分だった。
「杏寿郎さんが日本史の先生だから、とっても勉強になります!」
「うむっ!それは良かった。君が楽しんでくれたのなら、俺は幸せだ」
優しく頭を撫でられて、ギュッとまた引き寄せられる。
「次はここに行ってみたいです!縁結びの……」
「いいな!!すぐ行こう!!」
杏寿郎さんは縁結びの神様が祀ってある神社にはノリノリだった。
***
「杏寿郎さん、か、買いすぎでは!?」
「むぅ…最低でもこれぐらいは必要だ!!」
巫女さんも驚きで固まっている。
夫婦円満のお守りをザッと二十個程買っている。
とんでもない金額である。
「杏寿郎さ、そんなに買わなくても……一個で充分では…?お、お金……」
「大丈夫だ、A。俺は君につぎ込む以外は金の使い道がないから、問題ない!」
そういうことでは無いよ、杏寿郎さんっ!!
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龝(プロフ) - annkoさん» annkoさま、こんにちは!(*´-`*)グッドタイミングです!ふふふ、クライマックスの兄貴はいったいどんなヤンデレ兄貴に…!(//∇//)続編も楽しみにしてくださりありがとうございます!!頑張りますねっ!(*/▽\*)素敵なコメントありがとうございました! (2021年6月25日 17時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
annko(プロフ) - 龝さま、こんにちは!本当に宇髄さん、すごいタイミングです!煉獄さんかと思って、私まですごいドキッとしてしまいました!!クライマックスにはどんなヤンデレ兄貴(わー兄貴って呼ぶの緊張しますっ)が待ち受けているのでしょう…っ。続編も楽しみにしています(^^) (2021年6月25日 14時) (レス) id: 0cc2afaf00 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - 彩乃さん» 彩乃さん、こんにちは!(*´∇`)宇髄さんはやはり困っていた時には助けてくれる素敵な方です!実家についてもまだまだですよ〜!!クライマックスに向けてヤンデレ兄貴は突き進みます!!わっしょい!続編も楽しみにしてくださり、ありがとうございます…!!(*/▽\*) (2021年6月25日 13時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃(プロフ) - 龝ちゃん、こんにちは!う、宇髄さん!?なんというタイミング……!笑 何も聞かずに送ってくれるところもとても素敵ですね(-´∀`-)実家に無事着いてよかった(*´-`)兄貴の仕置きが怖いですが、楽しみでもあります(ムフフ)続編も楽しみに待ってます!! (2021年6月25日 12時) (レス) id: 555a9d3211 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - annkoさん» おはようございます!annkoさま!今日も来てくださり、ありがとうございます!そうですよね(*´艸`*)私も兄貴だったら、ニヤニヤが止まらなくて尊死です!でも、何も知らない状態からのそれは怖いですよね(汗)楽しみにしてくださり私も張り切って頑張ります! (2021年6月23日 6時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
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