ななじゅうなな ページ27
その後はそのまま寝れなくなると思いきや、
普通に夕食の準備を始めた杏寿郎さん。
「さぁ、今日の夜は豚の生姜焼きだ!!」
キッチンに立っている杏寿郎さんの姿はきっと誰もが惚れるであろう。
ワイシャツの腕まくりも素敵なのはもちろんのこと、エプロンも似合っている。
何よりイケメンである。
「A」
「杏寿郎さん?」
「ふっ……ただ、名前を呼びたかっただけだ!」
嬉しそうに目細めて、包丁をもって料理をし始めた杏寿郎さん。
ずるい人だ。かっこよ過ぎて、胸が締め付けられた。
溢れるこの胸のときめきを本当にどうすればいいのやら。
「杏寿郎さん」
「ん?」
「…私もただ、名前を呼びたかっただけです」
そう言えば、彼は固まり、火を止めて、手を洗い、私の方に歩いてきた。
「きょ、杏寿郎さん?」
「全く、君は……どこまで俺の心を掻き乱す気だ」
「あ、ぇ…」
「あぁ……だからだな…」
ギュッと抱きしめられる。
「抱きしめの刑に処す」
「それはご褒美ですね、杏寿郎さん」
「そんな事言うんじゃない」
嬉しそうな杏寿郎さんの声。
彼の鼓動が少し速くなった。
「うむ____では再開するとしよう」
少し経ったあと、
ふわりと離れて、少し温もりが無くなる。
また杏寿郎さんはキッチンに戻り料理をし始める。
「全く、君は愛らしくて堪ったもんじゃない」
気が付いたら、ギュッと杏寿郎さんの背中に抱きついていた。
杏寿郎さんに後ろから抱きつく事はよくある。
前からだと少し恥ずかしいが、後ろからだと少しだけ恥ずかしくない。
「これでは料理ができなくなってしまうのだが?」
「ごめんなさい」
「冗談だ」
優しく頭を撫でられて、擦り寄ると、「こら」と怒られてしまった。
「んっ…君に甘えられると堪らないな……」
少し耐えているような声がした後、杏寿郎さんは料理を再開した。
***
「いただきます」
「いただきます」
杏寿郎さんは大変機嫌が良く、私を離してくれない。
先程少し甘えてしまったからだろうか。
ずっと膝の上に乗せられているのは少々、いやかなり恥ずかしい。
これは慣れで何とかなるものではない。
「A、あーん、だ」
「…ん。美味しいです」
「良かった!!」
杏寿郎さんは幸せそうに目を細め笑った。
これだからますます離れられないのだ。
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龝(プロフ) - annkoさん» annkoさま、こんにちは!(*´-`*)グッドタイミングです!ふふふ、クライマックスの兄貴はいったいどんなヤンデレ兄貴に…!(//∇//)続編も楽しみにしてくださりありがとうございます!!頑張りますねっ!(*/▽\*)素敵なコメントありがとうございました! (2021年6月25日 17時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
annko(プロフ) - 龝さま、こんにちは!本当に宇髄さん、すごいタイミングです!煉獄さんかと思って、私まですごいドキッとしてしまいました!!クライマックスにはどんなヤンデレ兄貴(わー兄貴って呼ぶの緊張しますっ)が待ち受けているのでしょう…っ。続編も楽しみにしています(^^) (2021年6月25日 14時) (レス) id: 0cc2afaf00 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - 彩乃さん» 彩乃さん、こんにちは!(*´∇`)宇髄さんはやはり困っていた時には助けてくれる素敵な方です!実家についてもまだまだですよ〜!!クライマックスに向けてヤンデレ兄貴は突き進みます!!わっしょい!続編も楽しみにしてくださり、ありがとうございます…!!(*/▽\*) (2021年6月25日 13時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃(プロフ) - 龝ちゃん、こんにちは!う、宇髄さん!?なんというタイミング……!笑 何も聞かずに送ってくれるところもとても素敵ですね(-´∀`-)実家に無事着いてよかった(*´-`)兄貴の仕置きが怖いですが、楽しみでもあります(ムフフ)続編も楽しみに待ってます!! (2021年6月25日 12時) (レス) id: 555a9d3211 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - annkoさん» おはようございます!annkoさま!今日も来てくださり、ありがとうございます!そうですよね(*´艸`*)私も兄貴だったら、ニヤニヤが止まらなくて尊死です!でも、何も知らない状態からのそれは怖いですよね(汗)楽しみにしてくださり私も張り切って頑張ります! (2021年6月23日 6時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
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