ろくじゅうしち ページ17
食後に杏寿郎さんが買ってきたケーキを三人で食べる。
「あぁ、本当に杏寿郎さんは良い旦那さんねぇ……」
「いえいえ…あ、お義母さんはベッドで、Aさんと寝てください。俺は和室で寝ますから」
「それは悪いわよ!!二人は今日は一緒に寝ないと!!」
お母さんはそう言って、「私は和室で寝るわ!!」と言い出した。
しかし、杏寿郎さんも引かない。
「お義母さんを敷布団で寝かすわけにはいきません。時にはAさんとの時間も必要だと思われますし、二人で話をしたい事もあるでしょう?」
杏寿郎さんは笑顔で「風呂の準備をしてきます」と席を立って行ってしまった。
杏寿郎さんが見えなくなると、お母さんは眉を下げた。
「お母さん?どうしたの?」
「……杏寿郎さんに悪い事をしてしまったわ……」
「え?」
お母さんがそっと私の耳元で言った。
「実は______」
「お母さん何してるの!!?」
「…二人って夫婦になってからもう二年は経っているでしょう?なのに全く報告も無くて…少し心配だったの……でも……二人を見て…私が間違ってたわ…杏寿郎さんはAの事を本当に大切に思ってるのね……」
私は額を押さえた。
まさか母親が、私と杏寿郎さんとの関係が冷えきっていたのかと疑っていたとは。
それで母が杏寿郎さんのご飯にそーいう関係の物を盛ったとは…!!気づかなかった。
ああぁ!!本当に!!お母さん!!
「杏寿郎さん、遅いな…大丈夫かな……」
「お父さんの言う通りだったわ……私の勘違いだったの…」
「え?」
お母さんは孫ができないことに、私と杏寿郎さんの関係が冷えきったと言っていて、それを父が違うと言っていたらしく、その些細な事から、日頃の言い合いに発展し、喧嘩になってしまったらしい。
「……今日は帰るわ」
「え!?お母さん今から帰るの!?一泊していきなよ…?危ないよ……心配だよ」
時刻は八時過ぎ。
今から母を送り出すのは心配である。
「……杏寿郎さんに申し訳ない事をしてしまったし、杏寿郎さんにも……お父さんにも謝らないと……」
「確かに、杏寿郎さんには絶対に謝らないとダメだけど、今日帰ることはないよ」
「……でも…」
「ちょっと杏寿郎さんを呼んでくるから待ってて?」
私は立ち上がって風呂場に向かった。
1133人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
龝(プロフ) - annkoさん» annkoさま、こんにちは!(*´-`*)グッドタイミングです!ふふふ、クライマックスの兄貴はいったいどんなヤンデレ兄貴に…!(//∇//)続編も楽しみにしてくださりありがとうございます!!頑張りますねっ!(*/▽\*)素敵なコメントありがとうございました! (2021年6月25日 17時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
annko(プロフ) - 龝さま、こんにちは!本当に宇髄さん、すごいタイミングです!煉獄さんかと思って、私まですごいドキッとしてしまいました!!クライマックスにはどんなヤンデレ兄貴(わー兄貴って呼ぶの緊張しますっ)が待ち受けているのでしょう…っ。続編も楽しみにしています(^^) (2021年6月25日 14時) (レス) id: 0cc2afaf00 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - 彩乃さん» 彩乃さん、こんにちは!(*´∇`)宇髄さんはやはり困っていた時には助けてくれる素敵な方です!実家についてもまだまだですよ〜!!クライマックスに向けてヤンデレ兄貴は突き進みます!!わっしょい!続編も楽しみにしてくださり、ありがとうございます…!!(*/▽\*) (2021年6月25日 13時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃(プロフ) - 龝ちゃん、こんにちは!う、宇髄さん!?なんというタイミング……!笑 何も聞かずに送ってくれるところもとても素敵ですね(-´∀`-)実家に無事着いてよかった(*´-`)兄貴の仕置きが怖いですが、楽しみでもあります(ムフフ)続編も楽しみに待ってます!! (2021年6月25日 12時) (レス) id: 555a9d3211 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - annkoさん» おはようございます!annkoさま!今日も来てくださり、ありがとうございます!そうですよね(*´艸`*)私も兄貴だったら、ニヤニヤが止まらなくて尊死です!でも、何も知らない状態からのそれは怖いですよね(汗)楽しみにしてくださり私も張り切って頑張ります! (2021年6月23日 6時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ